beacon

「後がないのでやるしかない」プロデビュー戦で見せた柏DF湯澤の奮起

このエントリーをはてなブックマークに追加
[4.6 ナビスコ杯GL第3節 横浜FM1-3柏 ニッパツ]

 柏レイソル期待の右サイドバックがプロデビューを飾った。今季、大学屈指のサイドバックとして、流通経済大から柏に加入したDF湯澤聖人は、公式戦8戦目にしてついに先発の座をつかんだ。

 しかし、湯澤にとって最初の45分は決して華々しいものではなかった。開始5分に、左サイドを破ったMF兵藤慎剛がクロス、ペナルティエリア内のMF前田直輝にわたる。マークについていた湯澤はバランスを崩してマークを外すと、前田にシュートまで持ち込まれる。前田のシュートはGK桐畑和繁が一度セーブしたものの、こぼれ球をFW富樫敬真に押し込まれた。

 攻撃面では右サイド高い位置をとるもクロスを合わせることができず、さらに、イエローカードも受けてしまった。「失点に絡んだのもあったので、前半は浮ついていた」。背番号21は、前半を回想した。

「やっと得たチャンス。自分には後がないのでとにかくやるしかない」。その想いが湯澤にらしさを取り戻させた。後半は一転、柏の右サイドバックがチャンスを生み出す。右サイドで1対1の場面をつくると、積極的に仕掛ける。

 5分、切り返しから左足でシュートを狙うと、CKを獲得。このCKがDF増嶋竜也の逆転弾を生んだ。さらに、23分、湯澤のドリブルからのクロスでCKを奪うと、再びCKから増嶋がこの日2点目。試合を決定づけた。「チームが勝つためには積極的に行くしかなかったので、得点に結びいたのは、気持ちが左右したのかなと思います」。2得点を演出したルーキーは、少し表情を緩ませた。

「素直に嬉しいというのと、これからレイソルを背負って戦う第一歩を踏み出した」。公式戦未勝利だったチームに、今季初の勝ち点3を呼び込んだ湯澤は、プロデビュー戦を回想した。

(取材・文 奥山典幸)

●ナビスコ杯2016特設ページ

TOP