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五輪もきれいに勝てるわけがない…ブラジルに完敗の手倉森Jは「耐えて勝つ」

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[7.30 国際親善試合 日本0-2ブラジル ゴイアニア]

 手も足も出なかった。30日に五輪ブラジル代表と対戦したリオデジャネイロ五輪日本代表は、序盤から主導権を握られてしまう。押し込まれる時間帯が続き、体を張った守備で辛うじて相手攻撃をはね返す。しかし、ボールを奪っても、切り替えの早いブラジルのプレッシャーに苦しんで攻撃を組み立てられず、すぐさまボールを回収されて再び守備の時間を迎えた。

 圧倒的に攻め込まれながらも前半30分の給水タイムまで耐えしのいだ日本だったが、その直後に先制点を献上。同33分、左サイドでボールを受けたFWガブリエウ・バルボーザが一気にスピードに乗ってゴールに迫ってくると、MF原川力(川崎F)、DF塩谷司(広島)が抜き去られ、左足から放ったシュートがDF植田直通(鹿島)に当たってコースが代わりネットを揺らされた。

 チームを率いる手倉森誠監督は「給水タイムの後に一気にギアを変えてくるあたりが、強豪国のしたたかさ。給水タイムで日本はホッとして、ブラジルはパワーアップした」と振り返った。さらに前半41分にはCKからDFマルキーニョスにヘディングで叩き込まれ、リードを2点差に広げられてしまう。

 後半に入っても流れは大きく変わらなかったが、ブラジルがペースダウンしたことで、パスをつないでシュートまで持ち込む場面も作り出す。しかし、指揮官が「アタッキングサードまで入る回数とクオリティーを高めなければいけない」と語ったように、ブラジルゴールを脅かしたのは後半9分に高い位置でMF大島僚太(川崎F)がボールを奪い、FW興梠慎三(浦和)を経由してMF中島翔哉(FC東京)がPA内で放ったシュートくらい。90分間のほとんどはブラジルの攻撃を耐えしのぐ時間が続いた。

 後半はスコアが動かずに0-2の完封負け。スコア以上に内容で圧倒された試合。手倉森監督は「本大会もきれいに勝てるわけがない。耐えて勝つしか方法がない中、今日は実際に90分間辛抱させられた。優勝候補のブラジルと大会前に試合ができたのは本当に収穫。結果は五輪で出したい」と話す。チームがすべきことは「耐えて勝つ」こと。その方向性がより明確になった。

(取材・文 折戸岳彦)

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