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ミシャ監督、進退発言から一転…自身を名将に重ね「ベンゲルは21年、私は10年戦いたい」

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進退を懸けた新潟戦に臨んだペトロヴィッチ監督

[7.9 J1第18節 浦和2-1新潟 埼玉]

 異例の“進退マッチ”となった。5日の第13節川崎F戦(1-4)後、ペトロヴィッチ監督は浦和レッズサポーターの前で、新潟戦で自身の進退を懸けることを明言。最下位を相手に苦しみながらも2ー1で逆転勝利をおさめ、“ミッション”をクリア。試合後、監督会見に姿を見せた指揮官は「勝利しなければいけないという我々の目的は達成された」と口を開いた。

 サポーターから抗議を受けた自分自身を名将に重ねたのか。「ベンゲルは21年アーセナルで戦っている」と自ら切り出し、進退発言から一転、「私は少なくとも浦和で10年戦いたいという強い気持ちを持っている」と表明。アーセン・ベンゲル氏は1996年にアーセナルの監督に就任後、16-17シーズンで初めてトップ4入りを逃し、解任論が加速。サポーターは容赦なくベンゲルに「NO」を突きつけていた。

 自ら退路を絶って臨んだ試合は、1点を先行される苦しい時間帯が続いた。ペトロヴィッチ監督は「残り15分まで1-0の心境はどうだったか」というひとつの質問に対して約18分間熱弁をふるい、川崎F戦後のサポーターとの対話についても言及した。

「私が言いたいのは、サポーターに呼ばれて出て行ったわけではない。取材が終わってバスの中に乗り込んでくる選手たちに対して、サポーターが大きな声で批判をしていた。そういう姿を見て、私自身がサポーターの前に行って話をしないといけないと思った」

 次第に語気を強め、ジェスチャーを交えながらヒートアップ。進退発言が飛び出した理由については「『新潟に負けたら私が一番に去る』という話をした。クラブの社長、スタッフと共に5年半素晴らしい仕事をしてきた。圧力を自分に向け、自分が圧力を背負うことによって、そういう方々に余計な圧力をかけたくないと思ったからの発言」と真意を説明した。

「私が浦和から去ることを誰が決めるのか。唯一、クラブだけが私を解任することができる」。勝利という結果は残せたが、優勝争いが期待される中で前半戦を8位で折り返し、開幕から完封試合はわずか2試合。18試合を終えて30失点、11試合連続失点と守備に課題を残している。「私とクラブの絆は深い」と“浦和愛”を強調する指揮官は「まだまだ苦しいチーム状況は続くと思うが、我々は必ずここから這い上がってみせる」と巻き返しを誓った。

(取材・文 佐藤亜希子)
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