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テクを磨くより速い!?3か月でサッカーが上手くなる方法を体幹トレーニングの第一人者に聞いてみた

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関東一高など高校年代へのアドバイザーも務める木場克己氏

「体幹」の名を広く知らしめた、体幹トレーニングの第一人者・木場克己氏。現在、長友佑都(インテル)や金崎夢生選手(鹿島)、さらには久保建英(FC東京U-18)、中井卓大といった10代の選手まで、パーソナルトレーナーに指名され厚い信頼を寄せられている。
そしてこの夏、全世界(!?)の中高生に向けた体幹バランストレーニングを木場氏が考案。“1人でできるコソコソ練習=コソ練”として、「3か月でサッカーが上手くなる」動画を週に1回配信していく。考案者の木場氏に、なぜ体幹を鍛えるとサッカーがうまくなるのか? を聞いてみた。
動画はこちら

技術に関係なくサッカーが上手くなる方法

 最近は「体幹」という言葉が広く認知されるようになりましたが、日々のトレーニングに取り入れて体幹を鍛えている選手は多くないのが現状です。

 抜群にボールコントロールが上手い選手でも、体幹を使えているとは限りません。そういった選手は体幹を鍛えればさらにレベルアップすることができますし、逆に言えば、ボールの扱いが劣っていても体幹を鍛えることで、優れたサッカー選手になれるのです。

 私の元には長友佑都選手、金崎夢生選手らトップレベルの選手も足を運んでトレーニングに励んでいます。彼らは体幹をとバランス筋力を鍛える重要性を、身をもって理解しているからでしょう。
また、最近では海外のビッグクラブや代表チームなども試合前のウォーミングアップにチューブを利用したバランスを整えるために体幹部や殿部、下半身に刺激をいれています。

 今回ゲキサカで紹介するプログラムは、中学生、高校生でもカンタンにやることができるものにしました。というのも、体幹バランストレーニングは育成年代から取り組むべきなんです。それは若干16歳ながらJ1の舞台で戦う久保建英選手が証明しています。久保選手は小学5年生からうちの施設にきていて、U-20W杯では海外の選手にもフィジカルで引けを取ることはありませんでした。J初ゴールとなったC大阪U-23戦のゴール。DFに囲まれているのに重心がまったくブレていない。そしてドリブルで相手を抜ききった後に左足を振り抜ける体の強さ。体幹の効果を現すいい一例だと思います。



 ルーキーながら鹿島で出場機会を増やしている安部裕葵選手も、瀬戸内高時代から体幹バランストレーニングを取り入れている一人。171cmですけど、DFと接触してもドリブルがぶれない。

 また、レアル・マドリーの下部組織に所属する中井卓大くんにも指導していて、彼は1年間で12cmも身長が伸びたにもかかわらず怪我なくプレーできているんです。身長が伸びることと体幹の因果関係はデータがないのでわかりかねますが、中井くんからは「怪我せずレアルでプレーできているのは、体幹バランストレーニングのおかげです」と感じてもらえています。

体幹を鍛えて自信をつけよう

 体幹を鍛えていない選手が多いというお話をしましたが、プロの選手でもそうで、育成年代で言えばほとんどいないでしょう。逆に言えば、中高生のうちから体幹を鍛えれば、ライバルに差をつけるチャンスだということです。

 体幹バランスバランストレーニングをしてインナーマッスルを鍛えると、久保選手や安部選手のように、体の軸がぶれなくなります。しなやかな動きができるようになったり、当たりの強さが身についたり、一歩の動き出しが速くなったりといった、フィジカル面でのレベルアップがまず挙げられます。

 サッカー的な側面で言うと、ドリブルをするときに体が正確なボールコントロールができるようになりますし、しっかりと踏み込むことができるのでシュート力が向上します。フィールドプレイヤーだけでなくGKにとっても重要で、セーブした後にすぐ起き上がれるような筋肉をつくることができます。また、体の軸がぶれなくなるので、転倒防止につながるので、怪我への耐性もアップするんです。

 体幹バランストレーニングの究極的なメリットは自信です。技術を体現できるかどうかは、自信を持ってピッチに立てるかどうか。その自信を得るために有効なのが体幹。技術を磨くより、体幹を鍛えたほうが速くて確実だからです。

 トレーニングの大きな成果は、見た目の変化というより、プレー中の変化で実感してもらえると思います。3ヵ月続ければ効果は歴然。強さとしなやかさを兼ね備えた体を手に入れて、サッカー選手としてレベルアップをはかりましょう!


<プロフィール>
木場克己(こば・かつみ)
1965年、鹿児島県出身。KOBAスポーツエンターテイメント(株)代表取締役。(株)アスリートウェーブ代表取締役。(有)コバメディカル・ジャパン代表取締役。TTC(トータルセラピストコミュニティ)代表理事。日本体育協会公認アスレティックトレーナー。柔道整復師、鍼灸師、健康運動指導士。FC東京のヘッドトレーナーをへて、横浜FC、サンフレッチェ広島ユース、ガンバ大阪ユースのアドバイザーを歴任し、現在は関東一高、瀬戸内高、岡山学芸館高、九州国際大付属高でアドバイザーをつとめるほか、長友佑都や金崎夢生らプロ選手のほか、久保建英、中井卓大ら次世代の選手のパーソナルトレーナーをつとめる。
現在、一般社団法人JAPAN体幹バランス指導者協会代表。
KOBA式体幹バランストレーニング協会代表。
木場克己公式オフィシャルサイト

(取材・文 奥山典幸)

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