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総勢27人招集のハリル、川島は「PKを止めた」大迫の経過は「ポジティブ」本田は「存在が重要」

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バヒド・ハリルホジッチ監督はFW本田圭佑への信頼を口にする

 FW9人を含めた総勢27人の“大所帯”で決戦に臨む。日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督は24日、都内のJFAハウスで記者会見を行い、31日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(埼玉)、9月5日の同サウジアラビア戦(ジッダ)に向けた日本代表メンバーを発表。「たくさんの困難な状況がある。リストをつくるのは今までで一番難しい状況だった」と、その選考は困難を極めた。

 相次ぐ故障者と、所属クラブで出場機会に恵まれていない主力選手の状況が、その要因だ。「いくつか心配な点があるので、選手を手元に置いて、彼らの状態や可能性を見たい」。ハリルジャパンの初陣となった15年3月の代表戦では実に31人もの選手を招集したが、初選考であり、国際親善試合で数多くの選手をテストしたかった当時を除けば、今回の27人は最多の招集人数になる。

 主力選手ではGK川島永嗣(メス)が所属クラブで開幕から3試合連続でベンチに甘んじており、FW大迫勇也(ケルン)も7月31日の練習試合で右足首の靱帯を損傷。開幕から欠場が続いている。

 ハリルホジッチ監督は川島について「リザーブチームで試合に出ている。その試合は2-0で勝ち、素晴らしい内容だったという報告を受けている。PKも止めたということだ」と指摘。「(川島)永嗣のメンタル面での影響、そして経験はこうした試合で必要になる。彼の存在は重要だ」と、日本の守護神として揺るぎない信頼を口にした。

 大迫に関しても「10日間から12日間ぐらいは別メニューだったが、ここ1週間はトレーニングに合流し、試合にも出られそうだと聞いている」と指摘。25日のハンブルガーSV戦で復帰する可能性も示唆し、「我々のメディカルスタッフ、クラブのメディカルスタッフからも報告を受けているが、ポジティブだ。ケガをする前の段階で彼はしっかりプレシーズンの準備を行ってきているので、トップフォームを早めに取り戻せると思う」と不安を打ち消した。

 MF香川真司(ドルトムント)とFW本田圭佑(パチューカ)も負傷の影響で出遅れているが、左肩の脱臼から復帰した香川は12日のカップ戦、19日のブンデスリーガ開幕戦といずれも途中出場するまでに回復。本田も22日のベラクルス戦に途中出場し、メキシコデビューを果たすと、いきなりミドルシューで初ゴールも決めた。

「(香川)真司には心配もあったが、今、コンディションを取り戻しているところ。まだ出場時間は長くないが、彼の状態を直接見て、どうするか決めていきたい」

「(本田)圭佑は真司と同じような状況だ。直近の試合は交代で入って点も取った。ただ、たくさんのゲームをプレーしてきたわけではない。真司と同じように直接見て、どういった状態なのかをチェックし、どういう役割を与えるか考えたい」

 27日に始まる代表合宿の中でコンディションを確認し、起用法を模索する考えを示したハリルホジッチ監督は一方で、「ただ、彼らの存在自体がチームにとって重要だと思う」と、その経験値にも期待している。

 9人を招集したFW陣ではFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)も今シーズンは途中出場が続いている。「原口はポジションとコンディションの両方を取り戻すために頑張っている」。今夏の移籍を模索した影響か、レギュラーから外れているが、「(代表招集時、)彼が常にフィジカル的に良い状態であることは毎回見てきている。クラブとの関係はクラブと彼との間の問題だ」と、主軸としての信頼を寄せた。

「今回は9人のフォワードを呼んでいる。全員を見たうえで、スタメンを決めていきたい。効果的なプレーをすることが今回のフォワードには求められる。だれが点を取るかではなく、勝つことが重要だ」。W杯出場を懸けた大一番でだれがピッチに立つか。今度は27人から11人に絞り込むための競争も始まる。

(取材・文 西山紘平)

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