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今大会初の途中出場で決勝アシスト!!法大FWディサロ「きょうは勝つなぁ」の予感的中

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途中出場したディサロは決勝アシストの活躍

[9.10 第41回総理大臣杯全日本大学トーナメント決勝 明治大0-1法政大 長居]

 試合前から気負いはなかった。「きょうは勝つなぁ」という漠然とした予感があった。法政大のFWディサロ燦シルヴァーノ(3年=三菱養和SCユース)は今大会初の途中出場でピッチへ送られると、後半22分の決勝点をアシストする活躍をみせた。

 ここまで全試合に先発していたディサロだったが、決勝の大舞台はベンチスタート。「正直、悔しい部分もあった」と言うが、長山一也監督の判断を受け入れて「疲労も考慮したり、最初は絢世(上田)と彰(松澤)でいって、相手を疲れさせたら俺がいき、そして活躍する」と前向きに捉え、仲間の戦うピッチを見つめた。

 押し込まれる時間が続いたが、もどかしい気持ちはなかったようで「試合に入ったら、とにかくボールを落ち着かせる作業から入って、それで俺が決めて……とイメージしていました」とポジティブな想いを抱いていた。そして後半12分からピッチへ送られ、同22分に仕事を果たす。

 自陣内のDF川崎雅哉(4年=静岡学園高)が前へボールを蹴り入れ、FW上田綺世(1年=鹿島学園高)が頭で流し、これをディサロが左へ逸らす。ワンバウンドしたボールを回り込んでいた上田が右足で蹴りこみ、決勝点は生まれた。

「ボールが来たときに絢世が回ってきているのはわかった。自分の前を通ったので、一度あいつに預けようと、もう一度リターンが来ると思ったんですけど、あいつが自分でいって入りました」。そう話したディサロは「本当はめちゃくちゃ返してほしかった。戻してくれたら決めていた? それはもちろん当たり前ですよ!」と豪快に笑う。

 途中出場でピッチへ送られる際に指揮官から「お前がヒーローになってこいと軽めに言われた」とおりに、自らの得点とはいかなかったが決勝弾をアシストして“ヒーロー”になった。

 日本一になれる予感はあった。三菱養和SCユース所属の2014年。高校3年生時のクラブユース(U-18)選手権大会で優勝に輝いた経験があり、当時の雰囲気とこの日の法政大が似通っていたのだという。「きょうの朝のミーティングで監督が『勝つしかないんだよ』と言っていましたけど、俺は『勝てる感じだなぁというか、きょうは勝つなぁ』と思っていたので」と明かすとおりだ。

「一回(高校のときに)優勝しているので雰囲気でわかります。そのときの雰囲気に似ていたので。養和のときは1年生から3年生まで上下関係なく、出ていない選手もみんなで雰囲気をつくってくれていて、今朝がそういう雰囲気だった。本当にいいチームですね、俺ら」。笑顔で自チームを誇った。

 頂点に立ったが、“二度目の日本一”を経験したストライカーは大学での初タイトルを喜びつつも決して気を緩ませない。「高校のときには夏に優勝して、リーグ戦で失速した経験があるので。俺とか平山(駿)とか、高校時代にその経験をしている俺たちがチームに還元して、ここから後期リーグでも一戦一戦を大切に戦っていきたい」と勝って兜の緒を締めていた。

(取材・文 片岡涼)
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