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[NB CHAMPIONSHIP U-16]「積み重ねた」静岡学園が青森山田に雪辱果たし、決勝進出!

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前半15分、静岡学園高はFW奥田友惟のゴールで先制

[9.17 NB CHAMPIONSHIP U-16 青森山田高 1-1(PK2-4)静岡学園高 時之栖うさぎ島A]

 全国大会級のU-16大会、「newbalance CHAMPIONSHIP U-16/2017」は17日午後、順位決定トーナメントを行った。大会2連覇を狙う青森山田高(青森)と静岡学園高(静岡)が前回大会準決勝に続いて激突。1-1で突入したPK戦でGK北口太陽が2本をストップし、静岡学園が4-2で勝った。雪辱勝利を果たした静岡学園は18日の決勝で昌平高(埼玉)と戦う。

 前回大会準決勝では青森山田の勢いに飲まれて0-1で敗戦。静岡学園は今年の世代も夏の対戦で自分たちの良さを発揮できないまま青森山田に大敗していたという。だが、齊藤興龍コーチが「(前回の対戦で)ボコボコにされて、そこから努力した結果。積み重ねっすね。練習、試合をして、自分たちのスタイルでぶつかっていったから。自分たちの力を出せる時間が増えた」と評したチームはこの日、“学園らしい”サッカーを展開して勝利し、先輩たちの分もピッチで勝利を喜んだ。

 特に前半は静岡学園のペース。青森山田の鋭いプレスを受けても、阿部健人と江本一真の両CBをはじめ、右SB岩野寛太、左SB中辻涼雅が相手の間を取ったMF藤田悠介とMF西谷大世の両ボランチに慌てずにボールをつけてビルドアップ。セカンドボールを良く拾っていたこともあって攻撃時間を増やした静岡学園は、ゴール前でもMF関俊哉が仕掛けからシュートまで持ち込もうとするなど、素早い切り替え、シュートを打たせない守りを徹底する青森山田相手に攻め続けて見せる。

 そして15分、「(元々守備的なSBだったが) 上がれる選手になっていかないと通用しない。静学の3年間で足元磨いてフィジカルも鍛えて縦突破、良いクロスを上げられる選手になりたい。(この場面では)クロス、FKは練習しとったんで、鋭く速いボールを蹴ろうと思っていて、いいボールが蹴れて良かった」という中辻の絶妙な左FKを、DFとGKとの間へ飛び込んだFW奥田友惟が頭で合わせて先制した。

 青森山田はMF浦川流輝亜やMF武田英寿が絡んだ攻撃からPAを切り崩そうとするなど相手ゴールに迫ってもいたが、前半は無得点。それでも後半、中央、サイドからの迫力ある攻撃で静岡学園の最終ラインにプレッシャーをかける。

 静岡学園は守備範囲広いGK北口や読みの良い守りを見せる中辻らDFラインに支えられて1-0のまま試合を進め、MF小山尚紀やMF岩本悠輝の鋭いドリブル、コンビネーションから追加点を狙うが、青森山田は試合途中にボランチからCBへポジションを移した田中将勢がカウンターからのピンチで素晴らしい対応を見せて食い止めるなど2点目を許さない。

 青森山田は武田やMF古宿理久の配球からFW田中翔太やMF那俄牲海がチャンスを迎えるが、活かすことができず。後半22分にMF金井佑樹が迎えた決定機も静岡学園GK北口のビッグセーブに阻まれてしまう。それでも青森山田は23分、PAへの浮き球パスを胸コントロールした田中翔が右足シュートを左隅に決めて同点に追いつく。

 ビハインドを感じさせないような自信ある戦いを見せていた青森山田が奪い取った同点ゴール。この後は陽が落ちてボールが見えにくい状況下での魂と魂がぶつかり合う攻防戦となった。球際で身体を張り、互いに攻め続けた両校の戦いは1-1でPK戦決着に。先攻・青森山田の1人目のシュートを右へ跳んだ静岡学園GK北口がいきなり止めると、3人目も北口が止めて見せる。そして小山、奥田、岩本、そして藤田と4人連続で成功した静岡学園が4-2で勝ち、決勝進出を決めた。

 勝った静岡学園の中辻は「(齊藤)興龍先生に空中戦は避けるようにと。ゴロのボールを繋ぐ静学のサッカーで、ゴロで打開して2列目からの飛び出しとかでバックラインをこじ開けようと言われていた。意識してやれたと思います。(決勝で対戦する)昌平にはオーシャン(カップ)で1-2で負けている。リベンジして気持ちよく勝って優勝したい」と意気込んだ。また、北口は「ルーキーリーグで2位になったり、今まで準優勝とかで終わっていた。この大会は優勝したい」ときっぱり。敗戦の悔しさもバネに、努力して成長し続けてきた静岡学園が昌平にもリベンジして、参加33校の頂点に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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