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“神”不在の再戦…熊本がFW安柄俊の劇的V弾で山形に競り勝つ

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[9.24 J2第34節 山形0-1熊本 NDスタ]

 20位ロアッソ熊本が敵地で暫定13位モンテディオ山形に1-0で勝利した。直近7戦未勝利(4分3敗)と苦しんでいたが、価値のある勝ち点3を獲得。敗れた山形は5戦連続ドローから6試合ぶりの黒星を喫し、7戦勝ちなし(5分2敗)でJ1昇格プレーオフ進出がさらに厳しくなった。

 山形は前節・町田戦(0-0)から先発2人を変更。出場停止のDF菅沼駿哉に代わってDF栗山直樹が2試合ぶりにスタメン復帰し、MF松岡亮輔が21試合ぶりの先発出場を果たした。対する熊本は前節・福岡戦(1-1)から1人のみ変更。MF上里一将に代わり、MF上村周平が4試合ぶりにスタメン起用された。

 熊本のホームで行われた前回対戦の第3節は、山形が終盤までリードしていたが、後半アディショナルタイム2分に上里のCKからGK佐藤昭大が頭で押し込み、劇的な同点ゴール。2014年のJ1昇格プレーオフ準決勝・磐田戦(2-1)で話題となった“山の神”こと元山形GK山岸範宏(現北九州)を彷彿とさせるヘディング弾で熊本が1-1の引き分けに持ち込んだ。

 奇跡の立役者となった上里と佐藤の2人が欠場した熊本に対し、試合の入りは山形が攻勢に出る。前半6分にはCKの二次攻撃からDF加賀健一が対角線上にロングフィードを送り、PA内左の栗山が頭で折り返す。ファーにフリーで飛び込んだFW阪野豊史がヘッドで合わせるも、至近距離からクロスバーの上に外してしまった。

 熊本は時間の経過とともに山形の攻め方への対応が整備されていくと、浮いた位置を取るウイングバックを生かして攻撃でもリズムをつかむ。前半11分、MF片山奨典が左サイドから左足でピンポイントクロスを送り、PA内中央にフリーで走り込んだFW安柄俊がヘディングシュート。しかしゴール左に外れ、同24分に同じような形から片山の左クロスに合わせた安柄俊のヘッドもGK児玉剛の正面を突いた。

 互いに決め手を欠いて前半はスコアレスで終了し、迎えた後半は立ち上がりから山形が熊本を押し込む。後半3分、MF佐藤優平の左CKに栗山が飛び込み、ボールがファーに流れると、ノーマークだったMF鈴木雄斗が反応。右足の強い振りでインパクトするが、シュートはクロスバーの上に外れる。直後の同5分には中央に進入したDF高木利弥が左足で狙うも、コースが甘くなり、シュートはGK畑実にセーブされた。

 熊本は7月8日の第22節・水戸戦(2-2)を最後に11試合連続で複数失点がなく、押された時間帯も崩れる様子を見せない。山形は後半12分に右サイドバックのMF山田拓巳に代え、DF荒堀謙次を投入。だが、熊本は同サイドに位置する片山を起点とし、前半と同様に攻撃のペースを握り始める。同22分にはMF中山雄登との交代でMF菅沼実を投入し、前への意識を高めていく。

 受けに回る時間が増えた山形だったが、後半25分に片山へのパスをインターセプトした荒堀が右サイドをドリブルで駆け上がり、カウンターを発動。高い位置でスピードを緩め、中央を確認して上げた右クロスにファーの佐藤がヘッドで合わせるも、力がなくGK畑にキャッチされた。

 畳み掛けたい山形は後半27分に松岡を下げ、MF汰木康也をピッチへ送る。愛媛も同29分に片山とFW田中達也をチェンジ。次第にオープンな展開となり、ゴール前でのチャンスが増加する中、山形は同35分に最後の交代枠で鈴木に代えてFW永藤歩を投入する。直後の同36分には永藤が競ってこぼれたボールにPA内右のFW瀬沼優司が反応。左足で強烈なシュートを放つが、GK畑のビッグセーブに遭った。

 熊本は後半37分に3枚目のカードを切り、上村とMF木村祐志を交代。その後も優勢を保つ山形は同40分にPA手前左でFKを獲得し、キッカーの佐藤が右足で狙うも、シュートはわずかにゴール左へ外れた。

 すると、耐えていた熊本がワンチャンスを生かして後半44分に先制。左サイドの田中が右足でクロスを送り、ニアで栗山に競り勝った安柄俊がふわりとしたヘディングシュートをゴール右に決めた。安柄俊は今季7得点目。自身12試合ぶりのゴールが貴重な決勝点となり、8戦ぶりの勝利を導いた。

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