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[MOM2232]神奈川県MF山本理仁(東京Vユース、1年)_ U-17代表で学んだ注目レフティー。2発演出し、ボール奪取も連発

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神奈川県MF山本理仁は2ゴールを演出。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.3 国体少年男子準々決勝 神奈川県 2-0 静岡県 西条市ひうち陸上競技場]

 国体開幕直前まで1歳年上の世代に当たるU-17W杯日本代表のトレーニングパートナーを努めていた注目レフティーが、得意の左足で魅せ、学んできたものを表現した。

 MF山本理仁(東京Vユース、1年)はこの日、的確なポジショニングと正確な左足キックで神奈川県の攻撃をコントロール。前半12分には右サイドからパスを受けると、流れるような動作から左足で左サイドへサイドチェンジ。絶妙なキックがMF柴田徹(湘南ユース、2年)の下へピタリと通ると、そこからMF柴田壮介(湘南ユース、1年)、FW石井宏育(横浜FMユース、1年)と繋がり、先制ゴールが生まれた。

 後半は前に出て来た静岡県に押し込まれ、耐える時間帯もあった。だが、山本はその時間帯に読みを見事に当ててインターセプトを連発。スライディングで味方へ繋ぎ、厳しいチェックによって個でボールをもぎ取るシーンもあった。

 そして、29分には前掛かりになった相手と、鋭くDFライン背後へ抜け出したFW宮城天(川崎F U-18、1年)の動きを見逃さずに一発の左足キック。「自分のパスで相手ひっくり返して、ひっくり返せば相手はボールウォッチャーになるし、意識していました。(宮城)天の走り出しも良かった」。正確にコントロールされたボールで抜け出した宮城がさらにマークを剥がしてラストパスを送ると、走り込んだFW西川潤(桐光学園高1年)が1タッチでゴールへ沈めて勝負の行方を決定づける2点目が決まった。

 東京Vのレジェンドの一人で、現在東京Vユースの指揮を執る永井秀樹監督が「ヴェルディ、大げさに言うと、日本のサッカーにとっても宝物だと思う」と評したほどの注目の才能。「(永井監督の指導の下、)自分のボールスキルだったり、ボールの引き出し方は上手くなっていると思う。代表へ行って球際とかも良くなっている」と自己分析する。そのMFはU-17日本代表のトレーニングに入っても「ゲームを作ること、ボールをシンプルに動かして、もらってというところはできていたと思う」と振り返る。

 U-17W杯優勝を目指すチームの中で、特に学べたことは守備面について。「高いレベルの中で(主将の)福岡慎平くん(京都U-18)とか守備の上手い選手のプレーを見て上達していると思います。(現在は)相手の目線や味方の寄せ具合とか見て取ることができています」。またJ3で経験を重ねるMF平川怜(FC東京U-18)のタッチのしなやかさなどを目の当たりにし、自信を持っている攻撃面についてもサポートする動き、判断のスピードなどまだまだレベルアップする必要があることに気づくことができた。そして、意識を高めてきたものを早速国体で表現。この日も抜群の存在感を放ってチームを勝利へと導いた。

 所属は東京Vユースだが、神奈川県相模原市に自宅、通っている高校があるという山本は神奈川県選抜の一員として国体に参加。「観客沸かせるくらい自分のプレーを出して、優勝したいですね」と意気込む。世代の中心選手としての自覚も持つボランチはそのプレーで観衆を沸かせ、神奈川県にあと2つ白星をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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