beacon

[MOM2298]開志学園JSC MF横山挙(3年)_スーパーサブの役割完遂!大型ドリブラーが決勝点を創出

このエントリーをはてなブックマークに追加

苦しい試合の流れを変えたMF横山挙(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.5 選手権新潟県予選準決勝 帝京長岡高 1-2 開志学園JSC高 新潟市陸]

第96回全国高校サッカー選手権新潟県予選の準決勝で帝京長岡高と対戦した開志学園JSC高は、試合開始早々に先制したが、1点のリードでは心許ないほどに攻め込まれた。同点にされれば、ジリ貧は必至。苦しい試合の流れを変えたのはMF横山挙(3年)だった。

 後半8分、FW内藤亮介(3年)に代わって投入されると、迫力のあるパワードリブルで単独カウンターを連発。素早く敵陣へボールを運んで相手を戻らせ、自チームの守備に立て直しを図る時間をもたらせた。

 宮本文博監督が「彼は本来、サイドMFの選手。でも、ドリブルが得意なので、あの流れなら(前線で)と思いました。最近は調子が良かったですし、前に2~4人くらいいても仕掛けて来いというイメージで送り出しました」と投入の意図を明かした。

 単独突破――。役割は明確だった。そして、投入から約10分後の後半19分、横山のドリブルが大きな追加点につながった。FW梅津比未来(3年)が左サイドでドリブルを始めると、追い越すように走り出した横山がパスを受け、ドリブルで前進。「正直、周りが見えていなくて、自分で決めてやるという気持ちでした」と話した通り、相手を振り切るように突破してPA内に侵入した。最後は、飛び出して来たGKと交錯する形になってシュートを打ち切れなかったが、後ろから詰めて来た梅津が押し込んで追加点を奪った。劣勢の試合終盤にリードを広げる1点は、貴重だった。結果的に1点を返されて2-1で勝利したことからも、この1点の価値は明らかだ。

 横山は「自分の特長は、前にボールを運ぶ推進力。それを生かせたと思います。『一人で打開して、ゴールを決めて来い』と言われました。今日は、気持ちが乗っていたので、前に行けたと思います」と手ごたえを語った。途中出場でありながら、右ひざを痛めたため途中交代となり、わずか26分間の出場となった点は悔いが残るという。だが、出場時間が短かっただけに、まるで必殺仕事人とでも言うべき役割の果たし方が余計に印象深かった。

 この試合にかける思いは強かった。横山は長岡市出身。小学生の頃は、相手の帝京長岡の下部組織である長岡JYに所属していた。知った顔が何人もいる相手だった。また、昨年のインターハイ予選で敗れた際には、自分がマークしていたFW陶山勇磨(3年)に点を決められて敗れた。「あの試合は悔いが残っていて、今度はオレがやってやると思っていました」と雪辱を期していたという。

 全国大会まで、あと一つ。決勝戦は12日にデンカビッグスワンスタジアムで行われ、開志学園JSCは夏のインターハイで県大会を制した日本文理高と対戦する。「日本文理には、インターハイの準々決勝で負けているので今度は勝ちます」。スーパーサブの役割を完遂したドリブラーが2戦連続の雪辱を誓った。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校選手権2017

TOP