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つなぐサッカー徹底した大分西が新ユニフォームとともに舞う!鶴崎工との激闘制し、悲願の初優勝!!

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悲願の初優勝を果たした大分西高イレブン

[11.12 選手権大分県予選決勝 大分西高 3-1 鶴崎工高 大銀ド]

第96回全国高校サッカー選手権大分県予選決勝が12日、大分銀行ドームで行われ、大分西高鶴崎工高に3-1で勝利し、全国大会初出場を決めた。

 3年連続の決勝進出となった大分西は、県総体後、3年生のほぼ半数が進学のために引退。残った6人の3年生が中心となり、若いチームを三たび決勝の舞台へと導いた。対する鶴崎工は、過去、中津東を3年連続全国へ導いた名将・松田雄一監督が2年前に赴任し、ノーシードながら有力校を次々と撃破し36年ぶりに決勝へと進出した勢いのあるチーム。決勝では初の組み合わせとなった両チームの戦いは予想どおりの熱戦となった。

 ゲームは個人技に勝る大分西が、この日スタメンに抜擢されたFW後藤健也(1年)の奮闘で優位に進める。サイドで起点を作り、最終ラインからDF宮崎優成主将(3年)の正確なフィードから鶴崎工ゴールに迫る。そんな大分西のつなぎのサッカーに対して鶴崎工は徹底したマンマークで対抗、主将GK高橋蓮(3年)を中心とした堅守で大分西の攻撃を接点の強さで上回り、隙を突いたカウンターで点取り屋のFW三代幹貴(2年)の決定力を生かそうとする展開に。

「相手の接点の強さは想像以上だった」と大分西・首藤啓文監督は試合後に述懐したが、攻めながらも決定機に結びつけられない大分西は前半27分、一転して大ピンチを迎える。鶴崎工がカウンターを仕掛け、MF今井玲音(1年)が右サイドからクロスを上げると、中央で競り勝ったFW松下稜河(2年)が反転しながら強烈なシュート。ここは大分西GK高橋力也(2年)がファインセーブで防いだが、その後のCKからのこぼれ球をDF金山将希(2年)がバー直撃のシュートを放つなど、鶴崎工はあわやの場面を連続して作り出す。

大分西は前半37分、エースFW幸航平(3年)のパスに走りこんだFW後藤健が決定的なシュートを放つが、鶴崎工DF肥後俊介(3年)が体を張ったブロックでピンチを回避。前半はお互いに得点なく、拮抗した戦いの行方は後半へと委ねられた。

先に動いたのは大分西。準決勝では先発だった切り札、FW加藤健多郎(2年)を投入し先制点を狙うが、後半2分、鶴崎工はFW松下のポストプレーからMF秦宗一朗(3年)のシュートがポスト直撃。またも惜しいチャンスを逃す。大分西も後半5分、中盤の要、MF後藤颯(3年)がミドルシュートを放つもGK正面で得点ならず。

そして後半8分、ついにゲームは動く。MF野尻晃生(2年)のロングクロスに反応したFW幸が長身を生かし、DFと競り合いながらヘディングシュート。弧を描いたボールは鶴崎工ゴールに吸い込まれ。大分西は待望の先制点を奪う。

追いつきたい鶴崎工はここまでスーパーサブとして4得点を記録している、ナンバー10植木祥太郎(3年)を投入し勝負に出る。そして後半19分、鶴崎工はFW松下がエリア内で倒されPKのチャンス。このPKをFW植木が冷静に決め、試合を振り出しに戻す。勢いに乗る鶴崎工は後半26分、こちらも途中投入のFW東奏斗(2年)が強烈なシュートを放つが、大分西GK高橋力が横っ飛びで防ぎ、ギリギリの攻防はさらに続く。

後半33分、大分西はMF後藤のスルーパスに走りこんだFW加藤が倒されPKを得る。「ベンチスタートを告げられた時は悔しくて泣いてしまったが、出たら絶対に決めてやろう思っていた」と語った加藤自らが決めて再びリードを奪った。

さらに大分西は終了寸前、CKからこぼれ球を途中出場のMF渋谷駿介(2年)が押し込んで、勝負を決める追加点。鶴崎工の反撃を守り切ってついに悲願の初優勝を手繰り寄せた。

「チームの意図を明確に、つなぐサッカーを徹底できた」と語った首藤監督は就任7年目での悲願達成。「応援してくれた人たちのすべての思いを力に変えて選手たちは戦ってくれた。まさに三度目の正直ですね」と笑顔を見せた。

この大会で着用した、スクールカラーのロイヤルパープルを鮮やかにあしらった新ユニフォームは、昨年よりもさらに深みを増した紫で彩られたもの。2年連続の決勝敗退の悔しさを糧としたチームもまた大きく成長し熟成を深めた。スローガンである『西雲の志』をモットーに掲げ、大分西が満を持して全国の舞台へと乗り込む。

(取材・文 安倍令文)
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