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「絶対に佐相にはやらせるな!」の警戒の中、大宮内定FWが決勝アシスト:埼玉

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昌平高の大宮内定FW佐相壱明は決勝点をアシスト

[11.19 選手権埼玉県予選決勝 昌平高 2-1 浦和西高 埼玉]

 昌平高が埼玉決勝で対戦した浦和西高には「今回、絶対に佐相にはやらせるな」という合言葉のような共通認識があったのだという。インターハイ予選決勝で3得点を決められ、関東大会予選準決勝でもゴールを許しているFW佐相壱明(3年)に仕事をさせないこと。その厳しいマークに苦しんだ大宮内定FW佐相だが、決勝点をアシストしてチームの優勝に貢献した。

 序盤から相手最終ラインと駆け引きしながらハイサイドへ抜け出して起点になろうとしていた。だが、浦和西はそのスペースを消しつつ、球際で厳しく当たり、佐相に満足なプレーを許さない。それでも、「何とか収めて勝ったり、周りを活かしてプレーできたと思います」という佐相は1-1に追いつかれた直後の後半31分、右サイドから斜めに切れ込んできたFW森田翔(2年)の前方にタイミング良くパス。DFをかわした森田が決勝点をねじ込んだ。

 9月に大宮加入が発表された佐相は注目される中での選手権予選だった。本人は十分な結果を残せなかったことを悔しがっていたが、その一方で表情は明るい。「インハイに比べたらマークも厳しくて、今回2得点なんで全然物足りなんですけれども、マークが厳しい中で味方を使ったプレーが今大会結構できたと思っているので、そこは今大会で成長できたことかなと思います」と口にする。

 佐相には、ゴール前でボールを受けてから鋭いターンでDFを振り切り、シュートを決めるという得意の形がある。そのこともあり、これまではゴール前に張って勝負することが多かった。だが、「これだと上で通用しない。アルディージャが決まって、もっと強いCBだったり、張るプレーだけだったら身体の大きなFWや強いFWがいる」という考えから、FWとしてより多くのプレーができるように心がけてきた。同時に、反転する際のトラップの精度にこだわり、武器もより得点が取れるモノにするという意欲を持って取り組んでいる。

 選手権予選を通して自身の進化を実感している。だが、全国大会ではこの日以上にマークが厳しくなる中で得点していかなければならない。だからこそ、「自分対策で消されたらいけないと思うので周りを見ながらやりたい。点を取ってチームを勝たせるのが一番なので、点を取りたいです」と力を込めた。Jクラブ内定選手として注目されることをさらなる成長へのきっかけに。ここからの1か月強、ライバルたちの予想を上回るような進化を遂げて選手権の舞台に立つ。

(取材・文 吉田太郎)
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