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J加入組の2発で市船が逆転勝利!千葉内定DF杉山には「スーパーシュート」と指揮官:千葉

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美しい同点ゴールを叩き込んだ市立船橋高DF杉山弾斗(3年、左から2番目)

[11.19 選手権千葉県予選準決勝 八千代高1-2市立船橋高 柏の葉]

 第96回全国高校サッカー選手権大会千葉県予選は19日、柏の葉公園総合競技場で準決勝を行った。3年連続の全国大会出場を狙う市立船橋高は5年ぶりの出場を目指した八千代高と対戦し、2-1で逆転勝利を収めた。

 今夏の総体で全国3位となった市立船橋だが、準決勝は先手を取られる苦しい立ち上がりとなった。八千代は前半16分、スローインの流れで左サイドに流れていたFW小堀潤也(3年)にボールが渡り、中央にパス。ゴール前のスペースに潜り込んでいたMF正田稜(3年)が落ち着いて流し込み、貴重な先制点を奪った。

 市立船橋の朝岡隆蔵監督は、この場面について「スキがあった」と振り返る。「スローインからの形は持っていたので、情報は入っていたんですけど、トレーニングをしたわけではなかったので、守り方もゆるかった」。ここまで予選2試合を無失点で突破してきていたが、今大会初の失点を喫してしまった。

 ところが市立船橋の選手たちは、八千代の選手が喜びを爆発させている間に円陣を組み、「慌てないで戦おう」という狙いを共有。すると、この1点を機に八千代が守りに傾き始めたことで、中盤の圧力が下がり、指揮官が「失点してからのほうがゲームは落ち着いた」という幸運な流れとなった。

 そんな前半31分、相手を敵陣に押し込んだ状態から千葉内定DF杉山弾斗(3年)が持ち場とは反対の右サイドに侵攻。そのままDF畑大雅(1年)とのパス交換で抜け出し、角度のないところからゴールに向かって左足を振り抜く。ボールは鋭い軌道を描いてGK堀輝一郎の頭上を越え、ファーサイドネットにゴールイン。主将の「スーパーシュート」(朝岡監督)で試合を振り出しに戻した。

 これで「流れに乗れた」(杉山)という市立船橋はさらに、前半アディショナルタイム、MF井上怜(2年)のパスを受けたMF金井満生(3年)がPA左にスルーパスを送ると、抜け出したFW福元友哉(3年)がダイレクトの左足シュート。指揮官も「理想的だった」と手放しで称える一発がネットを揺らし、前半のうちに逆転することに成功した。

 後半は「勝っている試合なので、やるべきことをやろう」という意識を高めた市立船橋が主導権を握った。後半3分、杉山のクロスに福元がヘディングシュートを放つも枠外へ。それでも同11分、FW佐藤圭祐(2年)に代えてFW郡司篤也(2年)を投入すると、郡司は同20分、同26分に、立て続けに最終ライン裏へ抜ける場面をつくった。

 その後も市立船橋は優勢を保ったまま、「最後まで何が起こるか分からない」(杉山)と選手たちが奮闘。八千代の攻撃陣にシュート4本を打たれながらほとんど決定機をつくらせず、ラストプレーでは杉山が足をつるほどのスプリントを見せるなどし、2-1でリードしたまま試合を終えることに成功した。

 わずか4日後に控える千葉県予選決勝の相手は流通経済大柏高に決定。“総体全国王者”ということもあり、報道陣に特別な意識をしているかと問われたが、選手も監督も「あまり意識しないようにしている」と声をそろえた。

「周りがうるさいので意識せざるを得ないけど、あくまでも対戦相手の一つ。選手レベルではガチガチやってるし、本田さん(本田裕一郎監督)も少しは意識していてくれていると思うけど、そこはできるだけ目の前の選手に意識を向けたい」(朝岡監督)。

 もっとも、「流経さんの立ち位置が全国で勝てるかどうかの指標にはなっている」と良きライバル関係であるのは事実。「そういう意味ではありがたいですよね。ここで突破しないといけない壁だから」(朝岡監督)――。3年連続の全国大会出場に向けて、そして6年ぶりの全国優勝に向けて、市立船橋は23日、“最も近くて最も高い壁”に挑む。

(取材・文 竹内達也)
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