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最後に微笑んだ“勝利の女神” 小林悠「ACLの負けもルヴァン杯の負けも…」

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豪快な右足ボレーで追加点を決めるFW小林悠

[12.2 J1第34節 川崎F5-0大宮 等々力]

 主将としてチームを初優勝に導いた。川崎フロンターレのFW小林悠は自身初のハットトリック達成で今季通算23ゴールに伸ばし、単独得点王も獲得。試合直後のインタビューでは「個人の成績よりチームのタイトルがうれしい」と、何よりも悲願の初タイトル獲得を喜んだ。

 優勝を告げるホイッスルが鳴り響くと、ピッチに大の字に倒れ込み、次々とチームメイトが覆いかぶさった。「本当に最高です。チームメイトがたくさんいいボールをくれて、チームメイトに感謝したい」。今季からキャプテンに就任した背番号11はそう仲間に感謝した。

 ACL、天皇杯は準々決勝で敗退し、ルヴァン杯は決勝でC大阪に敗れた。一時は4冠の可能性もありながら、一つ、また一つとタイトルを逃してきた。2度のJ2優勝を除けば、これまでJ1では無冠だった川崎F。幾度となくあと一歩のところでタイトルを逃し続けてきた“シルバーコレクター”が、ついにその呪縛を打ち破った。

 鬼木達監督は「今年一番悔しい思いをしたチームではないか、最後にプレゼントが転がってくればと思っていた」と言う。最後の最後に、勝利の女神は川崎Fに微笑んだ。「(決勝で敗れた)元旦の天皇杯から始まって、ACLの負けもルヴァン杯決勝の負けも、この優勝のためにあったんじゃないかなと思う」。小林はそう実感を込めて言った。

(取材・文 西山紘平)

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