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大一番で実戦復帰…「不安よりワクワクした」FC東京U-18岡庭主将は決勝弾アシスト

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高円宮杯チャンピオンシップで実戦復帰を果たしたDF岡庭愁人(3年)

[12.17 高円宮杯チャンピオンシップ FC東京U-18 3-2(延長) 神戸U-18 埼玉]

 怪我からの復帰戦は年間王者を争う大一番となったが、不安よりも“ワクワク”が上回っていた。FC東京U-18のDF岡庭愁人(3年)は高円宮杯チャンピオンシップで、後半初めから途中出場。愛するFC東京への感謝を込めて、頼れる主将が決勝弾をアシストした。

 右足の負傷で離脱していた岡庭は17日のヴィッセル神戸戦で、約2か月ぶりとなる実戦復帰を果たした。佐藤一樹監督も「どこまで持つか」と不安視する中での出番となったが、「不安というより、やってやろうという気持ち。結果を出すのに持って来いの舞台なので、ワクワクした感じで楽しんでやろうと思った」と意気込み、ピッチに立った。

 不在だった前半は良いところなく2点のビハインドを負ったが、岡庭の登場をきっかけにピッチ内の空気が明らかに変わった。「自分がテンポをつくって、攻撃の間合いをつくれば、みんなの持ち味を出せると思った」。その言葉どおり、重心を前にかけたチームは後半2分、MF品田愛斗(3年)のPKで早々に1点を返すことに成功した。

 また、MF吉田和拓(3年)のゴールで同点に追いついた後、延長前半には決勝弾を自らの右足から呼び込んだ。直前に品田がピッチを退いたため、右CKのキッカーを受け継ぐと、ゴール前に柔らかいボールを供給。DF長谷川光基(3年)が力強いヘディングで決めて、この1点がFC東京U-18を高円宮杯初制覇に導いた。

「サイドバックをやっているので、いかに中の選手が点を取れるかを考えている。ボールの回転のかけ方、どこにボールを落とすかは今季ずっと意識していたので、それがゴールにつながった」(岡庭)。品田とは異なる球種のキックが相手マーカーの混乱を呼んだうえで、「絶対にアシストしてやろうと蹴った」という高精度が勝負を分けた。

 また試合後には、この試合を最後に離れることになるクラブへの愛があふれ出た。「在籍した6年間で5つくらいのタイトルを取れて、FC東京じゃなかったらここまで来られなかった」。明治大に進学予定の岡庭は「恩返しをするために、FC東京に戻ってくること」と、卒業後のトップチーム入りを狙っている。

 さらに明治大は「小さな頃から目標で、追い越したい人」というDF長友佑都(インテル)の出身校。現在はそんな遠くイタリアで活躍する先輩と同じルートを通る希望を持っており、「大学に行って自分を見つめ直して、強く大きくなって、またFC東京に戻ってきて、タイトルを取りたい」と前を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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