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[横山杯]選手権組の2年生不在も市立船橋撃破!前橋育英が予選リーグから9連勝で完全V!

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優勝を喜ぶ前橋育英高

[12.29 横山杯決勝戦 市立船橋高 0-1 前橋育英高 若松総合運動場]

 来年度の躍進を狙う強豪校の1、2年生たちが「サッカータウン波崎」で力を磨く「横山杯 第18回全国ユース招待サッカー大会」1st Division Top決勝戦が、29日午後に若松総合運動場で行われ、市立船橋高(千葉)と前橋育英高(群馬)が激突。前橋育英がCB府川宙史(2年)の決勝点によって1-0で勝ち、5年ぶり3回目の優勝を飾った。なお、大会MVPには前橋育英のMF鏑木瑞生(2年)が選出されている。

 前橋育英が来季へ向けて自信をつけるような優勝だ。来季の主軸候補の1、2年生たちで横山杯を戦った前橋育英だが、30日開幕の全国高校選手権に出場するFW榎本樹(2年)ら2年生7選手が不在。それでも、予選リーグから決勝戦まで名門校や各都県トップクラスの強豪相手に9戦全勝で優勝を飾った。

 市立船橋は今回の横山杯で年代別日本代表選手や選手権予選の主力クラスの選手もBチームを経験するなどメンバーを入れ替えながら戦ってきた。その市立船橋は3-4-3システム。GKが田中悠也(2年)で岡井駿典(2年)、橋本柊哉(2年)、岸本駿朔(2年)の3バック。中盤は土岐祐希(2年)と町田雄亮(1年)のダブルボランチ、左MF井上怜(2年)、右MF余合壮太(2年)。3トップは佐藤圭祐(2年)、森英希(1年)、城定幹大(2年)が組んだ。

 一方の前橋育英は4-5-1システム。GKが山口瞬(2年)で、4バックは右SB深澤康太(2年)、CB吉田和暉(2年)、府川、左SB森賢太郎(2年)の構成。中盤は鏑木と須田晃輝(2年)のダブルボランチで左MF小栗秀哉(2年)、右MF高橋優斗(2年)、そして千葉剛大(1年)と杉本力丸(2年)が2トップに入った。

 立ち上がりは市立船橋の3トップが相手CBの脇を狙った動きで優位に立つ。また、町田がボールを引き出しながら前進する市立船橋は8分、佐藤からのパスを受けた井上が左サイドを個で打開してラストパス。これを森が左足で狙ったが、ボールは左ポストを叩いた。

 立ち上がりは相手に主導権を握られていた前橋育英だが、府川と吉田のCBコンビが声で前方の選手を動かし、SHが相手のパスコースを遮断するなど修正。また、鏑木と須田のダブルボランチが豊富な運動量で相手ボランチへのパスを封鎖すると、良い形でボールを奪う回数が増えて流れを引き寄せる。

 14分にはポッカリと空いた中央のスペースを千葉が突いてシュートへ持ち込むと、18分にはFKから鏑木がヘディングシュート。そして30分、カウンターから仕掛けた高橋がPAやや外側でFKを獲得する。キッカーの須田が右足で狙ったシュートはDFに当たって右ポストをヒット。このこぼれ球を府川が押し込んで先制点した。

 市立船橋は後半立ち上がり、井上と岡井のワンツーからチャンスを作ったが、その後は相手のブロックを完全に攻めあぐねてしまう。中盤を活用できず、DFライン後方へ縦パスを狙うが、相手が待ち構えている中では効果的な攻撃ができず、精度も欠いた。

 前橋育英は森の鋭い攻撃参加や機転の利いた動きを見せる高橋からチャンスも。また小栗の切り替え速い守備などもあった。そして、指揮を執る中島和哉コーチが「距離間のことしか言っていなかった」と言うように、守備のポジショニング、準備、予測の部分でも前橋育英は万全。隙を見せずに試合を進めていく。

 市立船橋は後半18分に町田と森に代えて、FW郡司篤也(2年)と左MF飯塚啓暉(2年)を同時投入。前橋育英も杉本に代えてMF上野詩音(2年)をピッチへ送り出す。残り時間10分を迎え、市立船橋の朝岡隆蔵監督は「ブロックを作られて(対応できずに)蹴るしか無いのが問題」と3バックから4バックへの移行を指示。終盤にはようやく中盤、サイドを活用した攻撃でチャンスを作り出し、岡井と郡司が決定的なシュートを放ったが、いずれも枠を捉えず。1-0で前橋育英が勝ち、参加36チームの頂点に立った。

 前橋育英の中島コーチは「優勝したことでOKではない」と前置きした上で「各強豪校とやらせてもらって、これで自信をつけて、来年のチームの軸になってほしい」と選手たちに期待。そして、MVPの鏑木は「来年は絶対にレギュラーを取って絶対的な存在になって、インハイ、選手権、プレミア昇格を目指していきたい」と誓った。3年生中心のAチームが選手権へ向けて準備する中で、自分たちの成長にこだわり、アピールもした前橋育英の1、2年生が1月の新人戦から始まる新シーズンへ向けて弾みをつけた。

(取材・文 吉田太郎)
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