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18歳を花開かせたチョウ・キジェ監督の『ひと工夫』…湘南MF新井光が堂々のJデビュー!!

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Jデビューを果たした湘南MF新井光

[3.7 ルヴァン杯GL第1節 湘南1-0鳥栖 BMWス]

 指揮官の配慮が高校生の素質を花開かせた。湘南ベルマーレMF新井光は市立長野高卒業を間近に控えた18歳。スタメンで迎えたプロデビュー戦は、立ち上がりこそ緊張した様子を見せたが、時間を追うごとにぐんぐんとパフォーマンスを上げていった。チョウ・キジェ監督は試合後の会見で、転機となった『ひと工夫』について明らかにした。

「高校を卒業していない中での試合だったが、彼の一番良いところは強気だというところ。寡黙でおとなしい性格だけど、1回ミスったら2回目、3回目は突っ込んでいく」(チョウ監督)。すでに指揮官の信頼を勝ち得ている18歳は、ルヴァン杯グループリーグ開幕節のサガン鳥栖戦で先発に名を連ね、記念すべきJデビューを果たした。

 平日ナイトゲームに5987人が詰めかけた中でのホームゲーム。新井自身が「前半は緊張があって固い入りになった」と振り返ったように、序盤はボランチのポジションで浮いてしまう場面が目立った。象徴的だったのは前半17分、対面のMF高橋秀人にバイタルエリアのスペースを使われ、ワンタッチパスから左サイドを押し込まれてピンチを招いていた。

 しかし、ここから立ち直るのが「強気」と評されるゆえんだ。「プレーをしていくなかでだんだん慣れてきた」ということもあり、徐々にボールを持てるシーンが増え、前半25分すぎには堂々たるプレーぶりに。相手のスペースを狙った果敢なドリブルで左サイドを持ち上がり、FW野田隆之介、FW表原玄太との連携でゴール前に侵入する場面もつくった。

 パフォーマンスが改善された背景には、指揮官の工夫もあった。前半の中盤ごろ、チョウ監督はプレーの合間に新井を呼び止め、プレッシングの仕組みを変更するよう指示。MF齊藤未月とのポジションを縦関係にすることで、「1回、ドリブルを気持ち良くしたら落ち着くだろう」という狙いがあったという。

 また、ボランチでの先発起用にも意図があったようだ。「本人に『ボランチどうだ』と伝えたら、『前のほうが良い』って言うんで、『生意気だな』と思ってボランチにしました(笑)」(チョウ監督)。一方の“本人”は「先発はずっと狙っていたので、素直にうれしかったですし、やってやろうという気持ちでした」とあっさり話したが、ポジションへのこだわりにも気持ちの強さが垣間見える。

「小さい頃から『俺は上に行ってやるんだ』と思って、嘘くさくなく正直にやってきたんだろうと思います。ご両親の教えと指導者が芽を潰さなかったんでしょう。俺はそうやって多くの選手の芽を潰してきましたが(笑)」。そう冗談めかした指揮官だったが、この試合で訪れたような“ひと工夫”がトレーニング中にも設けられていることは想像に難くない。

 長足の進歩を遂げるルーキーが目指すのはリーグ戦の舞台。「やっていて楽しかったですし、もっともっとこういうレベルの高いところで試合に出て、活躍したいという気持ちがさらに強くなりました」(新井)。天性のメンタリティーを持つ“湘南乃光”がトップカテゴリで輝きを放とうとしている。

(取材・文 竹内達也)
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