beacon

広島が24年ぶり開幕3連勝!!PKストップの守護神に城福監督も敬服「言うことない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

PKストップなど開幕3連勝の立役者となった広島GK林卓人

[3.10 J1第3節 鹿島0-1広島 カシマ]

 守護神のビッグセーブに指揮官も敬服した。開幕3連勝で暫定首位に立ったサンフレッチェ広島はルヴァン杯を含めると、公式戦無傷の4連勝。その立役者の一人がGK林卓人だった。

 1-0の後半20分、DF佐々木翔がFW鈴木優磨を倒して与えてしまったPKのピンチ。ボールをセットするFW金崎夢生と対峙した林は「(PKを)取られた瞬間から(ボールが)セットされるまでの間、どれだけ冷静に集中力を高められるか。そこに集中してできた」と、完璧なタイミングでキッカーに向かって右に跳び、しっかりと弾き出した。

「先に動くと逆を取られるので、ギリギリまで動かず、でもタイミングもずらされずにうまくできた」。跳ね返りに詰めたMF土居聖真のシュートも体を張ってブロック。「こぼれが続いていたので、そこが切れるまでは安心できなかった」。プレーが切れると、チームメイトが次々と駆け寄り、歓喜の輪が広がった。

 試合開始早々の前半3分にもDF水本裕貴のバックパスが弱くなったところをFWペドロ・ジュニオールにカットされたが、1対1のピンチを林の好セーブでしのいだ。城福浩監督は試合後の記者会見で林のプレーについて聞かれ、「ご覧になったとおり、言うことないです」と思わずニッコリ。「相手のシュートがすべて彼のところに吸い寄せられるような試合だった」と表現したうえで、「シュートに対して体を投げ出している選手がいるから(GKの)正面に行くし、シュートを打つ選手にも余裕がなくなる」と、チーム全体の粘り強い守備を称えた。

「PKを含めて多少の運もあったかもしれないが、体を寄せたり、カバーしたり、最後のところで足を出したり、そういう選手の気持ちが乗り移ったのかなと思う」。苦しい展開でも1点を守り抜き、「耐えられるチームになってきたというところで選手も手応えを感じていると思う」と力説した。

 J2では08年に開幕3連勝しているが、J1ではステージ優勝した94年の開幕6連勝以来、24年ぶりの開幕3連勝。それでも指揮官は「これから先、何があるか分からないし、何も約束されていない。積み上げていくしかない」と努めて冷静に話した。「攻守両面で主導権をもっと握っていく必要がある。一歩ずつ、牛歩のごとく前に進んでいけたら」。ゆっくりと、しかし着実に。3年ぶりのタイトル奪還へ、“城福サンフレッチェ”がスタートダッシュに成功した。

(取材・文 西山紘平)

★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
●2018シーズンJリーグ特集ページ
●[J1]第3節1日目 スコア速報

TOP