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初先発の高校選抜FW佐藤颯汰は自慢の走力発揮も悔しいドロー。「次、得点奪うために頑張ります」

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日本高校選抜のFW佐藤颯汰(日章学園高→北九州)は自慢の走力でチームに貢献。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.1 デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ 日本高校選抜 1-1 ブレーメン]

 普段は冷静にプレーしている印象のストライカーが、珍しくアツくなっていた。試合終盤、日本高校選抜のFW佐藤颯汰(日章学園高→北九州)に対して相手の左SBが挑発を繰り返す。セットプレーの際には頭をぶつけて集中力を見出そうとしてくる相手を佐藤颯は冷静に振り払おうとしていたが、あまりのしつこさにヒートアップ。相手につき合ってしまい、互いにイエローカードを受ける結果となった。

 佐藤颯が驚異になっていたからこその相手の対応だったかもしれない。これまでの2試合は交代出場で、このブレーメン戦が今大会初先発となった佐藤颯は、序盤から運動量多く相手にプレッシャーをかけ、ルーズボールを収めて味方に繋げるなど攻撃を牽引していた。雨でぬかるんだピッチだったにもかかわらず、馬力あるランニングを見せ、献身的な守備を連発。特に前半は相手DF、GKに対してプレッシャーを掛けることでパスコースを限定し、味方の中盤でのボール奪取に大きく貢献していた。

 そして攻撃面では後半3分に右サイドから中央へドリブルで仕掛けて左足シュート。その後、右サイドへポジションを移すと、縦へのスピードとキープ力を活かしてチャンスメークするなど、3連戦のためにチームが取り入れた「ターンオーバー制」に応えるようなプレーを見せた。

 特に武器としている走力で存在感。佐藤颯は「走力は自分の特長なので、誰であろうと負けない自信があったので、そういうところで貢献できたと思います」と振り返る。それでも、欲しかったのはゴール。「得点できなかったので凄く悔しいのとチャンスを作れたことは作れたんですけれども、それを活かせなかったことは悔いが残りました。ドリブルで抜いてからのシュートは1、2回だけだった。身体張るだけでなくて、しっかり自分でかわしてゴールを決めたいです」と満足はせず、引き分けた責任は自身にあると反省していた。

 元々は年代別日本代表にも選出されていたセントラルMF。日章学園高2年時の冬にFWへコンバートされた。この1年、FWで対戦相手の驚異になれることを示し、ゴール、アシストを続けたことがプロ入りのきっかけになった。今回、「海外の選手を驚かすくらいのプレーがしたいです」という意欲を持ってきた欧州遠征。一つでも多くゴールを決める、ゴールを演出するプレーを増やすことができるか。

 北九州からは「活躍して来い」というエールを受けている。Jリーガーとして他の選手達以上にこだわっている結果。「次、得点奪うために頑張ります」と誓うFWが予選リーグ最終戦、そして大会最終日にこの試合の悔しさを晴らす。

(取材・文 吉田太郎)
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