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「夢は教えることができない」 F・トーレスが日本の青少年プレーヤーに伝えたいこと

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竹原稔社長とサガン鳥栖のユニフォームを掲げるFWフェルナンド・トーレス

 サガン鳥栖への加入が決まったFWフェルナンド・トーレスは幼少期からアトレティコ・マドリーの育成組織で育ち、華々しいプロサッカー選手生活への準備期間を過ごしていた。『ゲキサカ』ではそんな世界的ストライカーに対し、同じように世界で活躍することを目指す少年プレーヤーに伝えたい言葉を聞いてみた。

 15日、都内での入団会見に臨んだF・トーレスは、次世代の選手育成にも貢献したい構えを示した。「プレーを見てもらうことで、子どもたちにもっとサッカーに興味を持ってもらいたい」と意気込めば、「子どもたちと一緒にサッカーができる機会をつくりたい」と明言。「若い人たちにできる限りのことを教えたいと思っています」と心強い言葉も飛び出した。

 そんなF・トーレスに子どもたちへのメッセージを問うと、返ってきたのは“夢を持つこと”の大切さだった。「子どもたちに常に言いたいことですが、サッカーというのは情熱です。サッカーというのは夢です。学校やアカデミーに行って、サッカーを楽しんで、多くのことを学んでもらいたい。そして、多くの努力をしてもらいたい」。

「サッカーは楽しむこと、チームで取り組むこと、そして夢を持つことが大事です。というのも、夢は教えることができません。まずは自分自身で夢を持って、それに向かって進んでいってほしいと思います」。他の選手に比べて身体が小さく、技術もそう高くなかったと言われるF・トーレスの言葉だけに、説得力がこもっていた。

 そんな思いはまず、鳥栖の育成組織に注入されていくようだ。竹原稔社長は2年前、アカデミーの選手たちをA・マドリーに連れて行き、F・トーレスと面会していたことを明かすと、「地方の田舎のチームとして、財源的にもJ1で戦う難しさを感じている中、早い期間でユースの成長を促したい」と育成組織に力を入れている狙いを口にした。

 また「なかでもセンターフォワードとセンターバックを育てるのが私たちユースの課題で、そこに早急に力を注がないといけない」という問題意識を吐露。今夏から復帰する予定となっているFW豊田陽平とともに、F・トーレスの存在が格別なお手本になると考えているようだ。

「人間としても素晴らしく、フットボールプレイヤーとしても素晴らしい選手が目の前にいることで、選手たちがスポンジのように吸収していくことを夢見ている。これからユースもさらなる飛躍をして、トーレス選手を目指す選手に出てくることを願っています」。電撃加入を果たした世界的ストライカーにかかる期待は、ピッチ上のプレーだけではない。

(取材・文 竹内達也)
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