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仲間は日帰り応援往復予定。サポートに感謝の鹿島、FW有馬2発でプレミア勢対決制す

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前半26分、先制点を決めた鹿島アントラーズユースFW有馬幸太郎がガッツポーズ

[7.22 日本クラブユース選手権U-18大会GL第1節 鹿島ユース 2-0 京都U-18、NTT図南]

 Gグループの初戦はプレミアリーグEASTで首位を走る鹿島アントラーズユースが、WESTで暫定2位の京都サンガF.C.U-18に2-0で勝利。厳しい環境の中で、鹿島の勝負強さが光った一戦となった。

「環境も含めて、非常にタフな試合になることはわかっていたが、そのとおりになった」と鹿島の熊谷浩二監督が振り返ったように、2点差の勝利とはいえ、どちらに転んでもおかしくない試合展開だった。9時開始という時間設定に、やや街中から外れた立地条件もあり、キックオフ前は暑さがまだ“まし”だったが、時間の経過と共に気温は上昇していき、選手たちの体力と精神力を容赦なく削り取っていく。そんな中で鹿島は前線への縦パスで、京都はサイド攻撃からチャンスをうかがう。

 スコアが動いたのは前半のクーリングブレイクが明けた26分。京都が攻撃をやり直そうとしたバックパスがずれて、鹿島のFW赤塚ミカエルがカット。寄せてきた相手のチャージに耐えてFW有馬幸太郎へパスを送ると、「点が欲しかったので、少し強引だったけど仕掛けた」という有馬は相手DFとのデュエルを制してエリア内で前に出て、右足で先制点を決めた。

 さらに後半12分、再び敵陣でショートカウンターを発動させると、左SB佐々木翔悟のクロスを有馬が今度はヘッドで押し込んで追加点。その後も2点のリードを崩すことなく、初戦を制した。

「こういった環境でどちらがミスをするのか、それにより先制点が奪えたのが今日の勝因かな」と振り返った熊谷監督。京都が積極的にプレスを掛けてくることを見越してロングフィードでDFラインの背後を突いていく攻撃、後半は相手SBが攻め上ったあとのスペースで起点を作る判断は、シンプルだが効果的だった。

 また、大きな声援を送ったメンバー外の選手の応援も選手を後押しした。彼らは鹿島と群馬を日帰りで往復する予定で、この日も帰った後にトレーニングを行うという。主将のMF前田泰良は「悔しさもある中で、僕らをサポートしてくれる。感謝の気持ちを持ってがんばらないといけない。夏休みに入ってからは日中に練習を行っている。それもあって、この暑さの中でも全員で戦い切れました」とチームの一体感を口にしている。昨年はベスト8で敗れたが、その雪辱を晴らすべく常勝軍団は好スタートを切った。

(取材・文 雨堤俊祐)
●第42回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会特集ページ

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