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8年ぶりの「覚悟」の復帰…千葉MF工藤「失うものは何もない」

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ジェフユナイテッド千葉MF工藤浩平

[8.4 J2第27節 千葉2-3松本 フクアリ]

 今夏、8年ぶりにジェフユナイテッド千葉に復帰したMF工藤浩平。この日の対戦相手は、移籍前に所属していた松本山雅FCだった。

 3試合連続で先発出場を果たすと、持ち場となるトップ下の位置に入る。中央にとどまるだけでなく左右に動いてボールを引き出し、シンプルにさばいて攻撃にリズムを生み出す。しかし前半41分にFW船山貴之のPKで先制しながらも、わずか4分後の同45分にFW前田大然に同点ゴールを奪われると、後半7分と同16分に立て続けに失点。同45分にFW指宿洋史が1点を返したものの、2-3の逆転負けを喫してしまった。

「(松本は)隙が無く、隙を突いてくる。前半の締めるところで失点してしまったけど、そういうところを突き、そこで点を取れるから首位にいるんだと感じた」

 下部組織から千葉で育ち、03年にトップチームに昇格。05年と06年のナビスコ杯(現ルヴァン杯)連覇に貢献し、08年の最終節での「奇跡の残留」も経験した。そして、09年からは背番号10を託されたものの、同年にクラブ史上初のJ2降格を味わった。

「ジェフでナビスコを優勝したり、ギリギリ落ちないときも見てきたし、オシムさんがいたり、良い時期も知っている。でも、J2に落としてしまった責任も感じていたし、悔しさもあった」

 その後、11年に京都に移籍すると、広島、松本を渡り歩き、今夏、一つの決断を下す。「ジェフは小学生から育ったチームだったので思い入れがあった。このタイミングでオファーをもらい、松本にも感謝しながら、ジェフでもう一回、覚悟を持ってやりたい気持ちが強かった」と26歳で千葉を離れた男は、33歳となって古巣へと戻ってきた。

「失うものは何もない。覚悟を持って1試合1試合やるだけ。チームを引っ張て行くタイプではないけど、経験を伝えていきたいし、若手に負けないように頑張りたい。チーム、スタッフ、サポーターが一つになり、自信を持ってやっていきたい」

 第27節終了時点で勝ち点34の14位、プレーオフ出場圏内となる6位横浜FCとの勝ち点差は9。残り15試合と限られた時間の中で、「ジェフはJ1にいないといけない」とクラブを“あるべき場所”に戻そうと、男は覚悟を持って戦い続ける。

(取材・文 折戸岳彦)
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