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椎橋慧也が“市船らしさ”で存在感…仙台指揮官「東京五輪でも重宝される」

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突然のインサードハーフ起用も難なくこなしたベガルタ仙台MF椎橋慧也

[8.25 J1第24節 川崎F1-0仙台 等々力]

 普段は3バックの一角で起用されることの多いベガルタ仙台MF椎橋慧也だが、この日は第21節柏戦に続いて3-1-4-2のインサイドハーフを担当。「スムーズさが出てくれば、東京五輪でも重宝されると思う」――。川崎フロンターレ対策も一因にはあったが、そんな期待も込められての起用だったようだ。

「しっかりとした守備で相手のボランチにプレッシャーをかけること、スライドして相手のサイドバックに行くこと、そういうタスクを課した」。渡邉晋監督は試合後会見で、起用の意図をそのように説明した。守備面を買われていることは椎橋自身も自覚。「(守備と攻撃は)8対2の割合ですかね。攻撃は出しゃばらないようにしました」と試合の入り方を振り返った。

 実際にそんな役割はピッチ上でもしっかり表現できていた。川崎Fの中盤中央3枚はフィールドを幅広く動き回り、時にはサイドバックも勢いよく攻め上がってくるが、味方ウイングバックとゾーンを分担しながら自由にさせず。指揮官も「彼のところでボールを奪えたり、攻撃でも彼のところで落ち着かせて前進できていた。思ったよりもやれたという印象」と及第点の評価を下していた。

 “中2日”の公式戦だったため、トレーニングにかけられる時間は多くなかったが、「ボールを持つチームなので奪いに行けと言われて、良いチャンスだと思った」と果敢にトライ。それどころか「相手の大島選手、守田選手、中村憲剛選手にガンガン行けたので、手応えはあった。ボールをさばけて、要求できて、良いパスを出せたし、プレーの幅が広がったと思う」と何かをつかんだようだ。

 出身校の市立船橋高では“どこで使われるか分からない”という環境を生き抜いてきており、『ポリバレント』な能力にはもともと定評のある椎橋。今回のポジションを担うにあたっては「映像を見たり、普段やっている選手に話を聞いたりして、動きが整理できたのが大きい」と述べたが、高校での経験が生きたのかを問うと「そうなんです、本当そうなんです」と笑みをこぼしていた。

 渡邉監督は「彼には『これからこういうことをやるよ』という私からのメッセージでもある」と今後も同様の任務を与える可能性を示唆し、2年後の東京五輪にあえて言及。そんな指揮官の期待を「自分にとってプラスでしかない」と語る21歳は「いろんなポジションができれば、緊急事態でもやれるし、自分はそういうところを目指していきたい」とまっすぐに意気込んでいる。

(取材・文 竹内達也)
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