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日本vsコスタリカ 試合前日の森保一監督会見要旨

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公式会見に出席する森保一監督

 日本代表は10日、試合会場のパナソニックスタジアム吹田で公式練習を行い、11日のキリンチャレンジカップ・コスタリカ戦に向けて最終調整した。練習前には森保一監督が公式会見に出席した。

森保一監督
「まず、このたびの台風21号、そして北海道地震で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、大阪をはじめとする関西で被災された方々、北海道で被災された方々の暮らしが一日でも早く戻りますようお祈りしています。被災した方々に心よりお見舞い申し上げます」

―明日の試合では代表選手としてどういった部分を表現してほしいか。
「キリンチャレンジカップ2試合を予定していたなかで1試合になってしまったという部分では、できれば2試合やって、より多くの選手を使ってプレーを見たかったという思いがある。またチームづくりとしては、まず1試合目にそのときのベストを出してプレーをしてみて、そこで出た成果と課題を2戦目につなげていくことができれば、チームづくりとしては良い時間の過ごし方ができたかもしれない。だが、自然災害には太刀打ちできないし、我々も札幌にいたが、サッカーをしてもいいのかというぐらいの状況だったので、そこは仕方がないと思う。招集からこれまで過ごした時間を無駄にすることなく、この1試合にすべてをぶつけたいと思っている。ピッチ外でもいろんな方に日頃から応援していただいているし、我々はサッカーを通して、まずはピッチ上で、サポーターをはじめとする日本国民の皆さんに対し、そして今回は大阪や関西、北海道で被災した方々に対し、励ましのメッセージを送ること。何よりも明日の試合でタフに粘り強く戦い抜き、熱い試合をして、被災地でがんばっている方々に励ましのエールを送れればと思っている」

―初陣でどんなサッカーを見せたい、目指したいか。
「まずは勝負にこだわって戦うということ。ベースとなるボールの奪い合いのところで戦う姿勢を見ている方々に伝えられるようにしたい。日本人の持っている技術と規律を試合の中で見せていきたいと思う」

―コスタリカは守りが堅い印象が強いが、どういったプランを持っているか。
「コスタリカは非常に個のレベルも高いし、チームとしても組織的に戦える強いチームだと思っている。ロシアW杯の試合では3-4-3というか、守るときは5バックで5-4-1のような形になって、固く守備をしながら速攻を仕掛けていた。だが、W杯が終わって監督が変わり、直近の韓国戦では違うシステムで試合をしていたように思う。我々は相手がどういうシステムで来ても柔軟に対応できるようにしていきたい。もちろんスカウティングはしているが、相手がこれだけしかしてこないとは考えず、柔軟に戦っていきたい。我々の考え方としては、攻撃的にやっていきたい部分もあるが、試合の流れもあるし、守備をしないといけないときはしっかり守備をする。速い攻撃が仕掛けられるときは速い攻撃をする。相手に守られたらボールを握りながら何とか相手の守備網を崩せるようにする。そこは選手に臨機応変にやってもらいたい」

―若い選手は初招集で実力を発揮できないこともあるが、どういったアプローチをしているか。
「『すべてこれだけ』ということはない。チームの戦い方としてコンセプトという大枠はあるので、コンセプトの中で若い選手に限らず、すべての選手が自分の持っているものを思い切り出してほしいと思う。個が持っているスペシャルなものに自信を持ってもらえるように、発揮してもらえるように働きかけながら、チームという部分でも考えていってもらえるようにしたいと思う」

―ロシアW杯で感じたことを踏まえてチームづくりに落とし込んでいきたい部分はあるか。
「ロシアW杯にスタッフとして帯同させていただき、前監督の西野さんがチームに働きかけていたアプローチは素晴らしいなと思ったし、自分なりに経験させてもらったもの、学ばせてもらったことをチームに落とし込んでやっていきたい。(学んだことは)たくさんある。『日本人らしく』と言うと漠然とするが、ハッキリとした定義はなくても、『日本人らしさ』が感覚的に分かるようにひたむきに戦って、タフに粘り強くという部分、最後まで戦い抜くというところはやっていきたいと思う。サッカー、そしてスポーツというところで、見てくださっている方々にメッセージをお届けするのが一番必要な部分。そこはロシアW杯でもチームとしてできていた部分なので、やっていきたい。

 日本人が持っている技術を日本人が自信を持ってやっていくところ、勇気をもってトライするところを選手に求めていきたい。先ほども規律という話をしたが、チームのコンセプトの中で攻守に連係、連動していくのは世界で通用すると思ったので、そういった組織力を出していきたい。ただ、こう言うと組織力という言葉が一人歩きしてしまうところがあると思う。ロシアでチームを見ていて思ったのは、組織力、規律という日本人の良さがあるが、それぞれの個の力と組織力があるからこそ、良い戦いができる。(ロシアW杯のメンバーには)どの国とも対等に戦える個の力があったと思うので、個の部分と組織力は両方とも求めていきたい」

―3-4-3システムがベースというイメージがあるが、紅白戦は4-4-2、4-2-3-1だった。
「もちろんシステム(に違い)はあると思うが、サッカーをやるうえで、戦ううえで、攻守の原理原則は変わらない。ロシアW杯で西野監督がしていたことを学べたこと、経験できたことは大きい。そういう意味では、自分が学んできたものを良い形でチームに落とし込んでいくというのは、私自身もトライしてやっていきたい。その中で、選手にはいろんな変化に対応力を持って、柔軟にやっていく、臨機応変にやっていくというところを持ってほしい。そういった意味で、紅白戦では今までやっていない形でトライしてもらった。そこはA代表だけでなく、東京五輪世代の選手にもいろんな形をトライしてもらっている。柔軟に対応できるよう、選手としてのいろんな引き出しが選手個々に出てきて、チームとしてもいろんな戦いができる力を付けていけるようにしていければと思っている」

―キャプテンに指名した青山に求める役割は。
「キャプテンに求めることはもちろんいくつかあるが、まずは自分自身の力をピッチ上で示すというところ。そしてピッチ上で自分の力を100%発揮するために、ピッチ外でどういう準備をするかというところ。キャプテンというよりも、選手としてみんながそこを基準にしていくように行動してほしい。青山は自分にも厳しいし、チームのこと、仲間のことを思いやった言動ができる選手。チーム全体をまとめてもらえるように、その時々にチームのメンタルの状況があると思うので、そこでチームが次に進んでいけるような言動をしてほしいと思っている」

(取材・文 竹内達也)

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