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「必ず戦う日が来ると思っていた」ライバルとの90分間。青森山田の超大型CB三國が完封勝利

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青森山田高の福岡内定CB三國ケネディエブス(右)は完封勝利に大きく貢献

[9.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第12節 流通経済大柏高 0-4 青森山田高 流通経済大柏高G]

 東京五輪期待の星が、堂々の内容で完封勝利に貢献した。青森山田高の192cmCB三國ケネディエブス(3年、福岡内定)は、流通経済大柏高とのプレミアリーグEAST上位対決で4-0快勝。ロングスローやセットプレー、前に勢いのある攻撃を得意とする相手に90分間、ゴールを許さなかった。

 本人はチームの中で気が緩んだ場面とピンチがあったことを反省する。ただし、U-18日本代表の超大型CBは空中戦で圧倒的な高さを見せつけ、対人や背後のボールに対する対応でも余裕のある守備を見せていた印象だ。

 対戦した流経大柏には特に意識しているCBがいた。昨年度、主役級の活躍で流経大柏をインターハイ優勝と選手権準優勝に導いているDF関川郁万(3年)だ。攻守においてゴール前で高さと強さを発揮する関川は、今年5月に来季の鹿島加入が内定。その関川との対戦について、三國は「自分も意識していたんで。あまり競る場面はなかったんですけれども、エアバトラー同士良い試合ができたんじゃないかと思います」と振り返った。

 高校1年時から名門・流経大柏で先発を務める関川に対し、三國は元々アタッカーで高校2年から本格的にCBを務めるようになった選手だ。先発に定着したのも今年から。年代別日本代表入りや福岡内定を果たした三國だが、U-17日本代表や高校選抜候補に選出されている関川は先を行く選手だった。

 4月の対戦では手術・リハビリ中だった関川が不在。CBとして関川と戦うことを楽しみにしていた。この日は関川も持ち前の高さ、ボール奪取力を発揮していたが、試合に勝ったのはより存在感を放っていた三國の方。それも4-0のスコアでの勝利を三國は「大きいですね。(関川)郁万は選手権で準優勝もしてだいぶ注目も浴びている中で、自分も絶対に負けたくないという気持ちでした。(関川が)復帰してからも『必ず戦う日が来る』と思っていたのでそれで勝てたのは、しかも完封で勝てたのは大きかったと思います」と喜んでいた。

 今年、三國はCB転向後、初めて年代別日本代表に選出。U-18日本代表に名を連ね、9月にはサポートメンバーとしてAFC U-19選手権(19年U-20W杯アジア最終予選)を控えるU-19日本代表に帯同し、U-19ベトナム代表戦でゴールも決めた。抜群のサイズ感とスピードも兼備する逸材CBは世界で真剣勝負することを目指している。

 U-19日本代表ではCB阿部海大(岡山)やCB橋岡大樹(浦和)から刺激を受けたという。「ヘディングも強くて、ビルドアップもできて、あとガッツもあってと三拍子揃っている。やっぱりデカイだけじゃなくてビルドアップもできないといけない。そういうところが印象に残っています。しっかりと見習わないといけない。自分の武器はヘディング。アジアの予選でも苦しい試合でセットプレーとかが大事になってくると思うので、また呼ばれたら苦しい場面で自分が活躍できるように成長したいと思います」と力を込めた。

 U-19代表や、東京五輪代表に食い込んでいくためにはまだまだ吸収していかなければならないことがある。この日、意識してきたCBとの直接対決で自信となる白星を得たが、大志を抱く三國は停滞することなく、ライバルたち以上の成長速度で目標に近づいていく。

(取材・文 吉田太郎)
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