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選手権決勝まで学び、成長し続けることを再確認した青森山田、1年生5人先発の流経大柏を4-0撃破

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後半19分、青森山田高の右SB橋本峻弥がこの日2点目のゴール

[9.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第12節 流通経済大柏高 0-4 青森山田高 流通経済大柏高G]

 高校年代最高峰のリーグ戦、「高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2018EAST」は9日、第12節2日目を行い、3位・流通経済大柏高(千葉)と無敗2位・青森山田高(青森)との上位対決は、右SB橋本峻弥(3年)の2得点などによって青森山田が4-0で快勝。優勝争いに生き残った。

 この日、青森山田は黒田剛監督が不在。2回戦で敗退したインターハイ後に2年前の2冠世代のように選手権決勝(19年1月)まで成長し続ける、継続し続ける、学び続けることを確認しあっていたが、流経大柏戦3日前に選手たちは聞く耳を持つこと、感謝を持って行動する姿勢、貪欲に成長を目指す姿勢を欠いてしまっていたことを指揮官から厳しく指摘された。

 選手たちに変化を求めた黒田監督は今回の上位対決で帯同せず。その中で危機感や、「全員、チーム一丸になって勝つ、という気持ち」(CB三國ケネディエブス、3年=福岡内定)を持って戦った青森山田が、特に後半は「サブが逞しくなっている」(正木昌宣ヘッドコーチ)という交代選手を含めて熱量のあるゲームを展開し、アウェーで勝ち点3をもぎ取った。

 前半、押し気味に試合を進めたのは、1年生5人を先発に並べた流経大柏の方だった。1ボランチを務めるMF藤井海和(1年)の健闘などもあってセカンドボールを拾っていた流経大柏はMF熊澤和希(3年)や右SB横田大樹(3年)が遠目の位置からでも積極的にシュートを放ち、存在感ある動きを見せていたMF森山一斗(1年)がゴール方向へ向かったドリブル、ワンツーで仕掛けていく。

 前半から相手を飲み込もうとした流経大柏に対し、やや受け身になってしまった青森山田だったが、27分に熊澤のスルーパスをGK飯田雅浩(3年)が阻止。また、鹿島内定の流経大柏CB関川郁万(3年)との直接対決に気合十分だったCB三國が相手をPAに入らせない。中央に絞って守る橋本やCB二階堂正哉(3年)、球際激しいMF天笠泰輝(3年)含めて相手の攻撃を食い止めていた青森山田は、逆に7戦連発中のMF檀崎竜孔主将(3年)のスルーパスで左SB豊島基矢(3年)が抜け出すなどサイド攻撃を展開し、先制点に繋げる。

 前半38分、檀崎の左CKがGKの頭上を超えると、ファーサイドで構えていた橋本が頭で合わせて先制点を奪う。熊澤のロングスローなどから青森山田に圧力をかける流経大柏も前半終了間際に藤井のバックヘッドがゴールを襲ったが、わずかに枠上へ外れた。
 
 流経大柏は後半立ち上がりにも関川のインターセプトを起点にチャンスをつくったが、同点ゴールを奪えず。次の1点は青森山田が奪った。後半5分、右中間でボールを持ったMFバスケス・バイロン(3年)のヒールパスからFW佐々木銀士(3年)、MF武田英寿(2年)、MF武眞大(3年)と細かく横パスを繋いで最後は檀崎が右足アウトでねじ込んだ。

 落胆の色濃く、ここから自分たちで立て直せなかった流経大柏に対し、青森山田は勢いが落ちない。19分に檀崎の左CK後の混戦から橋本が左足で決めて3-0。三國や飯田を中心に流経大柏の反撃を阻止した青森山田は交代出場のハードワーカーFW小松慧(3年)がチームを活性化する。そして、カウンターからバスケスが大きくボールを運んだり、檀崎がポスト直撃のシュートを放ったりするなど相手ゴールを脅かすと43分、右サイドから強引に仕掛けた小松の折り返しを交代出場MF鳥海昴(3年)が決めて4-0とした。

 後半失速した流経大柏に対し、青森山田は気温20度を切り、長袖を着用してトレーニングしていたという地元・青森とは異なる暑さの中で気迫の戦い。貪欲にゴールを奪う、ゼロで終えることにこだわって戦い、4-0で快勝した。

 勝ち点7差の首位・鹿島ユースと優勝争いをする権利を守った青森山田の檀崎は、「これを機にチームとして変われるかが、大きなポイントだと思うので次のレッズ戦へ向けていきたい」とコメント。黒田監督から指摘された部分を改善し、チームとして変わることを誓った。来年1月の選手権決勝まで、日常から貪欲に学び続けること。2年前、2冠メンバーたちの姿を目の当たりにしている現3年生たちが、それ以上の日々を送って2冠という目標を達成する。 

(取材・文 吉田太郎)
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