beacon

茨城県は主導権握って攻めるも無念の敗退。CB国府田「這い上がって追い越していけるように」

このエントリーをはてなブックマークに追加

茨城県CB国府田宗士は気迫の攻撃参加も。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.2 国体少年男子準々決勝 青森県 3-0 茨城県 三国運動公園陸上競技場]

 内容は互角。主導権を握っている時間も少なかったが、わずかな部分の積み重ねが0-3という結果になった。

 序盤の決定機を活かすことができなかった茨城県は先制点を失った後に縦に速い攻撃からポゼッション主体へとシフト。戦い方、選手も変えた中で選手たちはしっかりと対応して試合の流れを自分たちに傾けていた。

 萬場努監督(明秀日立高)は「3試合目で、形を変えても機能しだした」ことを評価していた。だが、他のチームに比べて、緊張感のある試合での精度の部分がまだまだ未熟だったことを指摘。チャンスになりかけたシーンをもったいないミスで逸し、クロスの精度も上がらなかった。後半はほぼボールを支配することができていただけに、自分たちで気づいて戦い方をシフトすることも必要だったかもしれない。

 後半は「自分、負けたくなくて、自分でどうにかしたくて自分でゴール奪って流れを変えたかった」というCB国府田宗士(鹿島ユース、1年)が最終ラインの中央から気迫の攻撃参加。彼ら鹿島ユースの選手たちの意識の高さと勝負へのこだわりは他の選手たちにも影響を与え、チームが進化するベースとなっていた。この試合でもMF大山晟那(明秀日立高2年)らが気迫のある戦い。だが、細かなミス、ゴール前で取り切る、守り切るところの差が勝敗を分けた。

 国府田はプレミアリーグでベンチ入りしていたシーズン序盤から、ベンチを外れることが増える中で気持ちを切り替えて気持ちの込もったプレー。「プレミアとか出れない分、ここで経験を積んでプレミアとかで弾みになればいいと思っていた。自分の課題にしっかり取り組もうと思ってこの大会に臨みました」。優勝には手が届かなかったが、各選手はこの経験を今後に繋げる。

 萬場監督は「自信をつけたものと悔しさを持って、アントラーズの選手たちはプレミアリーグ、チャンピオンシップを取ってもらいたいし、Jユースや選手権予選で各チームの主軸として頑張ってもらいたい」と期待。国府田は「帰ってからガッツリ練習して、他の県の人たちよりも自分が下にいると思うので、這い上がって追い越していけるようにしたい。(チームでも) 自分が一番下なので、まずできることからしっかりやっていって、ひとつずつ階段を上っていければいいと思います」と意気込んだ。ここから必ずレベルアップして、それぞれの目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
●第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」特集

TOP