beacon

[MOM2631]埼玉県GKジョーンズ・レイ(大宮ユース、1年)_ ビッグセーブ連発!2人のGKで戦い、日本一へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

ビッグセーブを連発して勝利に貢献した埼玉県GKジョーンズ・レイ。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.3 国体少年男子準決勝 千葉県 1-3 埼玉県 三国運動公園陸上競技場]

 試合終盤の連続ゴールが印象的だった埼玉県だが、それはGKジョーンズ・レイ(大宮ユース、1年)によって引き出されたものだと言えるだろう。アメリカ人の父と日本人の母を持つジョーンズは「ロングフィードなどのキックや至近距離のシュートを止めるのが得意なので見てもらいたい」。この日は特に「止める」特長を発揮して再三のビッグセーブ。千葉県に一度もリードを与えることなく、チームに勝利をもたらした。

 特に大きかったのが前半終了間際のシュートストップだ。30分に至近距離からFW清水勇貴(柏U-18、1年)に打たれたシュートを止めていたジョーンズは、35分にもPA内右中間から相手エースFW田村蒼生(柏U-18、1年)に打たれた右足シュートをストップした。

 ゴール前の混戦で死角と言えるような位置からのシュート。ボールは左隅を捉えていたが、ジョーンズが素晴らしい反応でゴールからかき出す。「DFがニア切ってくれて、ファーは少し見えていて、ファーに来たので入っていても入っていなくても触ろうかなと。めっちゃ難しかったけれども反応できました」。チームメートたちも失点を覚悟した前半を0-0で切り抜けたことが埼玉県にとっては非常に大きかった。

 そのジョーンズは後半18分にも右サイドを抜け出してきたMF畑大雅(市立船橋高2年)のシュートを「絶対にやらせない」とストップ。アンラッキーなオウンゴールで1失点したものの、26分にもあわやのシーンで思い切りよく飛び出して相手MFの前でキャッチするなどチームを勝たせるプレーだった。

 今大会の開幕前に主将のGK久保賢也(大宮ユース、2年)が負傷。初戦と2回戦はジョーンズが先発し、準々決勝の久保を挟んで、この準決勝では再びジョーンズが先発した。「賢也が国体に行く前に怪我してしまって、賢也の思いもしっかりと背負ってゴール前に立てたと思うので良かった」とジョーンズ。復帰し、再び安定感を示している久保と、反応の良いジョーンズの2人は競争の中で「お互いにリスペクトしている」(大野恭平監督、大宮南高)という。

 大宮ユースの先輩と後輩はそれぞれ、出続けたいという思いがあるだろうが、裏方に回った際は全力で先発GKをサポート。そして、2人で勝利に貢献している。ともに戦ってきた国体もあと1試合。ジョーンズは「あとは優勝しかないと思うので、いい準備をして絶対に優勝したい」と誓った。

 U-16日本代表のジョーンズは「最終予選(AFC U-16選手権)行けなくて凄く悔しい思いをした。(U-17)ワールドカップ出場を決めてくれたので次は僕が選ばれてスタメンを争えるようにしたい」という思いも持っている。あと1試合、必ず勝利して目標への弾みをつける。

(取材・文 吉田太郎)
●第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」特集

TOP