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ウェンブリー買収は決裂か…協会の反対勢力を受け、890億円オファー取り下げ

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ウェンブリーの買収に動いているシャヒド・カーン氏

 『サッカーの聖地』と称されるウェンブリースタジアム買収に関する動きは決裂気味のようだ。イギリス国営放送『BBC』が報じている。

 1999年に運営会社から購入して以降、スタジアムを所有しているのはイングランドサッカー協会(FA)。フルハムのオーナーであるシャヒド・カーン氏が今春、総額6億ポンド(約890億円)の高額オファーを提示し、買収する意向を明らかにしていた。

 パキスタン系アメリカ人のカーン氏は、自動車部品の製造で富を築いた67歳。かつてはアメリカンドリームの体現者として『フォーブズ』誌の表紙特集に登場した経験を持ち、2018年の同誌では世界で217番目、アメリカ国内では73番目に裕福な大富豪だとされる。

 スポーツ界への関心も強く、13年にはフルハムの経営権を取得。一時は2部で低迷する兆しがあったクラブを建て直し、今季はプレミアリーグ昇格に導いた。だが、買収はフルハムとは無関係。同じくオーナーを務めているアメリカのナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の『ジャクソンビル・ジャガーズ』がイギリス国内で興行を行うためとされている。

 記事によると、FAの一部評議員が売却に大反対。またファンとの協議でも3分の2が反対意見を表明したという。この経緯について、イギリスのトレーシー・クラウチスポーツ大臣は「とても失望している」と姿勢を表明。売却収益はグラスルーツのピッチ整備などに投資される予定だったが、「巨大な機会」を逃したとしている。

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