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「夢を叶えてくれたのは浦和レッズ」…現役引退の平川忠亮が持った“次の夢”

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今季限りで現役を引退する浦和レッズMF平川忠亮

[12.1 J1第34節 浦和3-2FC東京 埼玉]

 背番号14が交代出場のためにベンチから出てくると、スタジアムが大きな歓声に包まれる。時間は89分。与えられた時間は1分プラスアディショナルタイムだった。今季限りでの現役引退を発表している浦和レッズMF平川忠亮は、リーグ戦では最後となるピッチへと向かった。

 02年に筑波大から浦和に加入。それから17年間、平川は赤いユニフォームに袖を通し続けた。J発足以降、浦和が獲得したすべてのタイトルを経験した男は39歳を迎えた今季、一つの決断を下し、11月26日に今季限りでの現役引退が発表された。そして、J1リーグで336試合目の出場となったFC東京戦。チームは天皇杯で準決勝進出を果たしており、まだシーズンは終わらないものの、3-2の勝利を告げるホイッスルが吹かれ、平川のリーグ戦での戦いは終わりを迎えた。

「小さな頃からサッカーが好きで、暇があればボールを蹴っていたのを覚えている。そんなサッカー少年が、いつからかプロサッカー選手になりたい夢を持った」

 試合後に行われた引退セレモニー。冒頭にそう口にした平川は、「高校、大学と素晴らしい仲間に出会い、よりサッカーに真剣に取り組むようになり、夢に一歩ずつ近付くことができ、大学を卒業して夢が叶った。夢を叶えてくれたのは浦和レッズでした」とプロサッカー選手としての道をつくってくれたチームへの感謝を示した。

「02年に加入して17年、とても長い間、在籍させて頂きました。この17年のキャリアは、自分の想像をはるかに超えるもの。浦和レッズに関わるすべての皆さまの支えがあったからこそだと思っています。本当にありがとうございました」

 そして、プロサッカー選手として送ってきた人生に一つの区切りをつけたものの、「まだ夢は終わりません」とキッパリ。「次の夢は指導者になり、このピッチに戻ってくること。今まで以上に厳しく、つらい道のりになると思うけど、また夢に向かって一歩ずつ頑張っていきたい」。プロサッカー選手になるという夢を叶えるだけでなく、17年間もの間、第一線を走り続けた男は、新たな夢に向かって歩み始めようとしている。

(取材・文 折戸岳彦)
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