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一巡直前の決着に安堵!? 那覇西MF宮城海「次は自分の番だった」

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那覇西高MF宮城海(右)(写真協力・高校サッカー年鑑)

[12.30 選手権1回戦 駒澤大高 1-1(PK9-10)那覇西高 駒沢陸]

 普通なら回ってくる前に決着が着いているはずだ。しかし、1人、また1人と出番が近付いてくる。そして、気付けば次は自分の番に――。背番号10を背負う那覇西高MF宮城海(3年)は「準備してなかった」と苦笑したほどだった。

 前半36分に先制を許した那覇西だったが、後半に風上に立つと反撃の手を強める。前半は「なかなかボールに絡めずにボランチとしては50点以下」と厳しい自己評価をした宮城も、後半に入ると「ちょっと前目の位置を取って攻撃にドンドン絡んでいくことを意識した」と存在感を高めていく。後半11分にFW宮國永遠(3年)の鮮やかな一撃で追い付くと、同29分には宮城が針の糸を通すかのような美しいスルーパスで得点機を演出。逆転ゴールにはつながらなかったものの、中盤の底から攻撃をコントロールした。

 試合は1-1で前後半の80分を終え、勝敗の行方はPK戦に。後攻となったチームの一番手のキッカーを任された宮城は「ボールを置いた瞬間に決まる気しかしなかった。緊張せずに思い切り蹴るだけだった」と右足のシュートで豪快にネットを揺らした。しかし、3人目までで1人ずつが外したPK戦は、なかなか決着がつかない。その後は両チームの選手がしっかりとゴールを決めて、気付けばフィールドプレーヤー10人がそれぞれ蹴り終え、GKがキッカーを務める番に。

「次は自分の番だった。準備してなかったですよね(笑)。でも、本当に自分の番が回ってきたら、思い切り蹴るだけだった」

 一巡するかと思われたPK戦だったが、GK新垣凱斗(2年)が相手GKのシュートをストップして10-9の勝利を収めて初戦突破を決めた。「長かったけど(笑)、待っている選手もベンチの選手も楽しもうと。こんなに大勢の観客の中でできることはないので楽しもうと話していた」と緊張感が続いたPK戦を楽しんだと話すと、「チームとして長くできるのは嬉しい。沖縄も盛り上がっていると思うのでホッとしている」と勝利に素直に喜びを表した。

(取材・文 折戸岳彦)

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