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スコア以上の苦戦…シュート2本に終わった日章学園の早稲田監督「次に生かせたら正解」

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敗戦に泣く日章学園 (写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権2回戦 日章学園高1-2矢板中央高 ニッパツ]

 昨年の選手権出場メンバーを数多く擁して挑んだ日章学園高(宮崎)だったが、スコア以上に矢板中央高(栃木)に攻め込まれた。早稲田一男監督も「チームとしてやろうとしていることが、(ゲームを)通してできなかった」と試合後に嘆いた。

 公式記録上では日章学園の前半のシュート数は0本。一方、前半20分には守備陣の連係ミスから先制点を許してしまう。「事故みたいな失点はしたくないってゲーム前に言っていたんですけどね。結局そういう事故に遭遇してしまった」。矢板中央のDF内田航太郎(3年)が左サイドから大きくクロスを放つと、PA内には190㎝のFW望月謙(3年)が待ち構える。高さを警戒して飛び出したGK小原司(3年)は味方DFと交錯してしまい、こぼれ球をゴールに流し込まれた。

 後半16分にはDF古賀照也(1年)が望月を倒してしまい、PKを献上。MF飯島翼(3年)にPKを決められ、追加点を奪われた。日章学園は同19分にCKからオウンゴールを誘発して1点を返すも、後半のシュート数も2本と少なく、そのまま1-2で2回戦敗退となった。

「なんですかねえ…もうちょっとこう面白いサッカーがしたかったんですけどね。やれると思っていたんですけど、そういう回数が少なくて、シュートも少なかった。やろうとしていることが、やらせてもらえなかったというよりはできなかったというほうが正解なのかなっていう気はします」

 両チーム合わせて唯一の1年生での出場となった古賀は、追加点となるPKを献上したものの、その積極性で日章学園の1点に絡む。後半19分の左CK時には果敢にゴールを狙い、相手のオウンゴールを呼び寄せる動きをしてみせた。試合終了間際にはダイビングヘッドでゴールに迫るもそのまま試合終了。悔しさのあまり、その場で泣き崩れた。

 その姿に指揮官も「190㎝もある選手に対してチャレンジしていく姿。3年生のそういう姿を見て、来年のチームでは中心的な選手になってほしい」と希望を見出す。「こういう失敗やうまくいかなかったことが、次に生かせたら正解かもしれないですよね」。不完全燃焼とぼやいた早稲田監督。しかしその燻った火種を大切に、来年へとつなげようとしている。

(取材・文 石川祐介)
●【特設】高校選手権2018

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