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「最後に切らしたのは経験の差」初出場・龍谷に一瞬の隙…最多44回出場伝統校の粘りに屈す

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先制点を挙げたDF今村慎二(3年)は堅守でもチームに貢献(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.3 全国高校選手権3回戦 龍谷1-1 PK2-4秋田商 フクアリ]

 龍谷高(佐賀)は80分まで1点をリードして試合を進めたが、終了間際に一瞬の隙を突かれ、勝利はすり抜けていった。選手権初出場の龍谷に対して、秋田商高(秋田)は全国最多44回出場。DF今村慎二(3年)は「全国経験がない分、最後に集中を切らしたのは、秋商が毎年出ている経験の差なのかなと思いました」と伝統校との差を感じ取った。

 元Jリーガー太田恵介監督の下、本格強化5年目。初めて佐賀県大会を制し、選手権に初出場した。龍谷は週2回ほど計6kmの走り込みを行い、ハードワークを徹底。中0日の連戦であろうと、「どこにも走り負けない自信」をピッチで表現し、自らのゴールで試合を優位に運んだ。

 前半17分、MF後藤嵩裕(3年)が蹴り込んだFKをファーサイドのMF横山太一(3年)が競って頭で落とすと、ゴール前の混戦から今村がこぼれ球に反応。粘ってプッシュし、先制点をマークした。

 守ってはDF鵜木亮良(2年)とチャレンジ&カバーを徹底。相手キーマンの7番FW長谷川悠(3年)を無得点に抑え、堅守を築いた。しかし、後半40分に長谷川のCKから失点。「CKを守れば勝てると思って全員で声を出していた」。ベスト8を掴みかけていただけに、追いつかれて迎えたPK戦には入り切れなかった。

「まだ心が落ち着いていなかった。PKの笛が鳴って、時間を置いて気持ちを落ち着けようと思ったけど、相手GKの圧に負けた」。1人目が失敗し、3人目のキッカーを務めた今村も相手GKの好セーブに阻まれた。勢いに乗る相手に屈し、PK2-4で敗退。選手権初出場で16強。切り開いてきた道を後輩たちが歩んでいく。

(取材・文 佐藤亜希子)

●【特設】高校選手権2018

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