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ベルギーに突きつけられた「結局、勝つのは彼ら」長友が目指す“強いチーム”とは

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「強いチーム」を語った日本代表DF長友佑都(ガラタサライ)

[1.24 アジア杯準々決勝 日本1-0ベトナム ドバイ]

 ここまで5試合連続での1点差勝利。2大会ぶりのアジアカップ4強入りを果たした日本代表だが、決して満足のいく戦いぶりを見せられているわけではない。しかし、DF長友佑都(ガラタサライ)は2013年コンフェデ杯のイタリア戦、ロシアW杯のベルギー戦の例を出して「成長を感じている」と語った。

 試合前から苦戦を予想していた長友にとって、ベトナム戦は「想定内の試合」だった。ドーピング検査を終え、他の選手からやや遅れて取材エリアに現れた32歳は「これが一言で言うと疲労なんでしょうね。集中して入りたいと思っていても、頭がぼやっとしたような……」と疲れの影響も素直に認めていた。

 だが、その中での戦いぶりには前向きな姿勢を示した。「締めるところは締めていたし、したたかなチームになっている。今までは自分たちのサッカーができなかったりとか、相手にボールを持たれるとナーバスになっていたけど、今は最終的に身体を張れれば問題ない。成熟しているとピッチの中で思う」。

 それは2試合連続での1-0という結果にも表れているという。「守備面では手応えがある。ボールを握られても、どんな時間でも、ケアする場所、身体を張る場所を分かっているし、危なくないところでポゼッションされても全然怖くない」。複数得点のリードは今大会一度もないが、守備陣に不安はないようだ。

 そうした心持ちは「勝ったチームが強い」という言葉に集約させる。引き合いに出したのは2013年のコンフェデ杯イタリア戦(●3-4)、昨夏のロシアW杯ベルギー戦(●2-3)。「いい試合をしたとしても、結局勝つのは彼らなんですよ」。派手な形でリードを奪いながら、逆転負けを喫した悔しさを今もなおのぞかせる。

「強いチームが勝つというのはそういうこと。あまり試合内容が良くなくても、最終的に締めるところを分かっている。今の日本代表の後ろの選手たちは海外でもまれていることもあって余裕がある。僕も10年くらい代表にいさせてもらっているけど、締めるところを分かっている強さを感じている」。

「強いチームはやっぱり、ヨーロッパでも南米でも、最終的にバイタルエリアのところ、ペナルティエリアの中で身体を張ることを分かっている。そこが今までの日本代表になかったこと。自分たちのサッカーができなければ崩れてしまう、カウンターやセットプレーで取られてしまうのが今までの日本代表だった」。

『自分たちのサッカー』から脱却し、本当の意味での『強いチーム』へ。4年後のカタール大会を目指す32歳は、今大会でその境地にたどり着こうとしているようだ。

(取材・文 竹内達也)

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