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日本高校選抜候補が6発快勝。最終日までチャレンジして4日間の選考合宿を終える

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2本目18分、日本高校選抜はMFMF鈴木唯人(市立船橋高)が左足シュートを決めて逆転

[1.27 練習試合 日本高校選抜候補 6-1 山梨学院大]

 日本高校選抜候補は選考合宿(静岡)最終日の27日、山梨学院大と練習試合(25分×4)を行い、6-1で快勝した。

 第97回全国高校サッカー選手権で活躍した選手たちを中心に選出された、28人の候補選手による4日間の競争。普段接していない可変システム、慣れないポジション、守り方などに戸惑う選手が多かった。それに対する順応力や修正力、挑戦心などをチェックされてきたが、最終日も選手たちは目の前の試合にチャレンジ。この日は多くの選手にとって経験のあるポジション、戦い方だったこともあって伸び伸びとプレー、アピールをした。

 日本高校選抜の朝岡隆蔵(市立船橋高)は「(選手選考する上で)判断する材料、発見がいくつもあったし、コンセプトにチャレンジしてくれたことは成果だった」と合宿を総括。今回不参加だった選手も含めた候補メンバーから、4月の欧州遠征へ向けて段階的に人数を絞りながら最終的に18名まで絞り込む。選手たちは、その選考作業を困難にさせるようなプレーをして見せた。

 MF岡井駿典(市立船橋高3年)を4-3-3システムの肝となるアンカーに配置した練習試合の1本目は、岡井や天笠泰輝(青森山田高3年)、MF武田英寿(青森山田高2年)がボールに絡み、右の松尾勇佑(市立船橋高3年)と左の豊島基矢(青森山田高3年)の両SBのダイナミックな攻め上がりを交えた攻撃。そして、FW宮崎純真(山梨学院高3年)らがシュートシーンに絡む。得点を奪うことはできなかったが、先発起用されたGK八井田舜(岡山学芸館高3年)が前日に続いてビッグセーブを見せるなど0-0で終えた。

 2本目は8分に崩されて失点。だが10分、右サイドから中へドリブルで持ち込んだFW染野唯月(尚志高2年)が中央のMF檀崎竜孔(青森山田高3年)に繋ぐと、GKをかわした檀崎が左足で同点ゴールを決めた。さらに18分には岡井がPAに入れたループパスに反応したMF鈴木唯人(市立船橋高2年)が振り向きざまに左足ダイレクトボレーを決めて逆転。このゴールでまた盛り上がるなど、雰囲気も良く試合を進めた。

 2本目は左SBとして起用された水野雄太(大津高3年)が積極的にゴール前へ入っていく動き。3本目5分にはサイドチェンジを受けた右SB後藤裕二(矢板中央高3年)が切り返しから左足でゴールを破る。キープ力の高い前線の選手たちを信じて攻め上がった後藤は、9分にも左サイドを突破したFW大崎舜(大津高3年)の折り返しを押し込んで2点目を奪った。

 中盤起用の続く中田青(富山一高3年)や岡井がそつのない動きを見せ、DFライン、GK陣も2点目を許さなかった。そして高校選抜候補は4本目もSBが攻撃力を発揮。MF熊澤和希(流通経済大柏高3年)のパスを受けた左SB水野がDF1人をかわして右足シュートを決めると、試合終了間際にもPAでこぼれ球を拾った後藤のシュートが相手オウンゴールを誘い、6-1で勝利した。

 朝岡監督は「(高校選抜で)成長できる環境、刺激、色々な気づきを与えたい」と語る。選手たちは自チームとは異なるサッカーに接する中で色々な気づきを得た4日間だった。思うようにいかない中でもコミュニケーションを取りながら、前向きな取り組み。そして、特に最終日はエネルギッシュな戦いを見せた。

 そのチャレンジする姿勢はプロへ進む選手、大学に進む選手、そして下級生にも関わらず高校選抜が求めるところ。2月に高校選抜はさいたま市内で合宿を行い、FUJI XEROX SUPER CUP 2019 「NEXT GENERATION MATCH」でU-18Jリーグ選抜と対戦する。選ばれた選手たちは全国4000を超える高校サッカー部の代表として勝利を目指すと同時に、合宿期間も一日一日学び、成長へのきっかけを掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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