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双子の弟は代表、国体日本一。今年は鹿島学園の新10番、1年生MF大澤昌也が全国での活躍狙う

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鹿島学園高MF大澤昌也が今年、弟に負けない活躍を目指す

 鹿島学園高の10番を背負う1年生アタッカーは、鈴木雅人監督が「技術もですけれど、判断の精度が高い」と期待を寄せる存在だ。大宮アルディージャジュニアユース出身のMF大澤昌也(1年)は昨年、Aチームに絡むことがなかったが、鈴木監督は新チームで彼を10番に抜擢。1月の県新人戦では左SHやトップ下を務め、計4ゴールを決めて優勝に貢献した。

 昨年はBチーム。3年生と一緒にプレーすると、引いてしまう部分があったという。当時からセンス、視野の広さに対する評価は高かったものの、華奢なアタッカーはまだ自信を持ってプレーをすることができず、「周りが上手かったのでAチームに上がることが目標だった」。ただし、上のステージで活躍したいという欲が増すと同時に、プレーにも積極性が出てきた大澤の成長をスタッフ陣は見逃さなかった。

 新チームが発足するタイミングで彼をAチームに引き上げ、主軸として起用。「自分がもっとやってやると思って、そっちの方が自分のプレーを出せるかなと」と振り返る大澤は、相手の嫌がるポジショニングを取りながら、得意のドリブルや展開力を発揮してのけた。

 大澤は大宮のユースチームに昇格することができず、成長できる環境として鹿島学園へ進学。OBのFW上田綺世(現法政大)が21年からの鹿島入りを決めたことが刺激になっているという。上田は鹿島アントラーズノルテジュニアユースから鹿島ユースに昇格することができなかった選手だ。だが、鹿島学園、法政大で成長して“古巣”鹿島からのプロ入りを勝ち取った。「先輩にも学園からプロになっている人がいるので自分も頑張りたい」と大澤。先輩のようにプロ入りするため、今は鹿島学園で成長し、経験を重ねていく。

 大澤の双子の弟は大宮ユースに所属するFW大澤朋也(1年)だ。U-16日本代表歴を持つ弟は、昨年の国体少年男子の部決勝で決勝ゴールを決めて埼玉県選抜を日本一へ導いた注目アタッカー。今のところ、先を進んでいるのは弟の方かもしれない。だが、大澤にも「負けたくない」という思いがある。

「双子の(弟の)方が今プロにも行けそうなところで活躍していて、兄弟でプロとかに行けたらという話をしていた。あっちは全国とかで活躍しているので、自分も負けないように、茨城から頑張って、自分も早く全国のピッチに立ちたいです。大事な時とかに点が獲れて、中心選手になれるように頑張りたいです」。地元を離れ、茨城で力を磨く兄。徐々に活躍、評価もされ始めたアタッカーが今年、全国で印象的な活躍を見せる。

(取材・文 吉田太郎)

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