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「人生を賭けて戦ったのは3回目」…浦和DF森脇がもたらした“プラス”

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浦和レッズDF森脇良太

[3.6 ACLグループG第1節 浦和3-0ブリーラム・U 埼玉]

「今日は僕にとって重要なゲームだった」。それだけの覚悟を持ってピッチに立っていた。今季公式戦初出場となった浦和レッズDF森脇良太はプレー面だけでなく、メンタル面でもチームをけん引して今季初白星をもたらした。

 3バックの右に入った森脇はボールを受ければ周囲を確認し、的確な位置へとパスを供給しようとする。相手に防がれる場面もあったが、正確なフィードで攻撃にリズムをもたらす。オズワルド・オリヴェイラ監督は「相手の重心が低いと予想して起点となれる森脇を入れた。ボールの扱いがうまく、サイドチェンジで相手をスライドさせられる」との狙いを持って起用しており、「最前線に構えるFW興梠慎三が「タメが作れるし、前としても動きやすい。良いところを見ているし、タク(DF岩波拓也)とは違ったボールを配球できる」と絶賛したように、森脇は自らの任務を遂行した。

 チームは3-0の勝利を収めたが、「チームが素晴らしかった。僕は大したプレーはしていない」と謙遜。しかし、公式戦4試合目でつかんだ出場機会に、「今まで人生を賭けて2回ほど戦ったけど、今日は3回目になりました。過去の2回はいつかは忘れましたけど(笑)、人生を賭けて戦った」と期するものがあった。

「こういう機会でチャンスを与えられた選手がしっかり活躍することで、普段出ている選手にいい意味でのプレッシャーをかけられる。それは、チーム内の競争を活性化させ、チームが一つ上に上がっていく上で重要なポイントだったし、今日は僕にとっても重要なゲームだった」

 ゼロックス杯からJ1リーグ第2節までチームに勝利はなく、ノーゴールと厳しい状況が続いていたが、ピッチ上で戦っている選手は当然ながら、「負けたくて試合に出場しているわけではない。出ている選手は勝ちたい思いを持ってプレーしている」。しかし、ピッチ内の仲間を見て、森脇には気になる部分もあったという。

「サッカーはミスが起こるスポーツだけど、ミスが起こったところでネガティブな空気を出してはいけない。90分が終われば議論が必要な部分は必要だけど、90分の間はどんなミスが起ころうとチームとして助け合わなければいけない。1人がミスをしたら全員でカバーするのが一つのチームだと思っているので、そこは自分が変えていきたかった」

 闘志をむき出しにしたプレーだけでなく、常に声を出してチームメイトを鼓舞し続ける。MF長澤和輝が「ムードメーカーでもある森脇選手が試合中にずっと声を出し続けてくれた。そういう部分で先輩として、ベテランとしてチームを引っ張ってくれていると感じた」と語ったように、森脇の姿勢に仲間が刺激を受けないわけがなかった。

 ようやく生まれた今季初ゴール。そして、ようやくつかんだ公式戦初勝利。ここまで出場機会のなかった森脇が存在感を示し、この結果に大きく貢献したのは間違いなく、それは後半アディショナルタイムの選手交代時にオズワルド・オリヴェイラ監督が見せた行動からも伝わってくる。「監督が熱い抱擁をかわしてくれて、『良くやった』『素晴らしいプレーだった』と言ってくれた。握手して帰ろうかなと思ったけど、監督が熱さを出してくれたので僕も素直に懐に入っていった。でも、非常に力強かったので圧迫されました(笑)」とおどけながらも、「でも僕にとってもうれしかった」と満面の笑みを浮かべた。

(取材・文 折戸岳彦)

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