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“強い明治”がJクラブに挑戦!明早戦制して5年ぶり天皇杯へ!!初戦J3秋田、勝てば川崎Fと対戦

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明治大が5年ぶりに東京都を制した

[5.11 東京都サッカートーナメント決勝 早稲田大0-2明治大]

 天皇杯予選を兼ねた東京都サッカートーナメントの決勝が11日に味の素フィールド西が丘で行われ、明治大早稲田大を2-0で下し、5年ぶり14回目となる本戦出場を決めた。5月26日にソユースタジアム(秋田市)で行われる1回戦では、J3のブラウブリッツ秋田に挑戦する。

 対戦相手を取材すると、必ずといっていいほど同じ言葉が返ってくる。「今年の明治は強い」。東京都サッカートーナメント学生系の部準決勝で敗れた中央大は、0-1というスコア以上の力の差を感じたという。先日、関東大学リーグで今季唯一明治大に黒星をつけた筑波大の選手たちでさえも、内容では上回られていたことを素直に認めていた。

 迎えた天皇杯本戦出場をかけた東京都予選決勝。スローガンの一つに「J1チームを破ること」を掲げる明治大としては、通過点にしなければいけない試合だった。気温28.6度、さらに強い日差しが差し込む中で行われた一戦ということもあり、前半は互いにスローなテンポを刻む。

 だが後半10分にスコアが動く。明治大はMF安部柊斗(4年=FC東京U-18)がドリブルから前線にパスを出すと、MF持井響太(3年=滝川二高)を経由したボールが左サイドからエリア内に入ったFW佐藤亮(4年=FC東京U-18)に渡る。そして佐藤亮が左足で均衡を破るゴールを豪快に突き刺す。

 主導権を握った明治大はパワープレーに出る早稲田大の攻撃をかわしていくと、後半アディショナルタイム4分、DF川上優樹(4年=矢板中央高)が頭で落としたボールで裏に抜けたMF瀬古樹(4年=三菱養和SCユース)が右足でダメ押し弾を蹴り込むと、直後に再開されたところで試合終了の笛が鳴った。

 明治大と早稲田大は5日に行った関東大学リーグ1部第5節でも対戦。この試合も2-0で明治大が勝利した試合だったが、同試合では前の試合から先発9選手を変更。そしてこの日の試合では、同試合から先発8人を変更して臨んでいた。

 栗田大輔監督は「(大量のメンバー変更は)本来は失礼にあたることなのかもしれない」とした上で、「勝負がかかっているので、どうモチベーションを作って行こうか、どう総合力を上げていこうかと、いろいろなことを考えた」と連勝任務を遂行したイレブンを評価。「メンバーが変わっても質が落ちないというのは、日ごろの練習のたまもの。でも自信を過信にしないで、もう一回謙虚に前に進んできたい」と更なる精進を誓う。

 今年の明治大は堅守により磨きがかかっている。シーズン前はDF岩武克弥(→浦和)、DF上夷克典(→京都)といった主力が卒業したことによる守備面の弱体化が懸念されていたが、そこに生まれた“危機感”がチームに好循環をもたらした。学年の垣根も低くし、選手間のコミュニケーションの円滑化も目指した。システムを伝統の4-4-2から3-2-3-2に変更したことも、チームの緊張を継続させている。

 強い明治がJクラブを相手にどこまでやれるのか。1回戦の相手であるJ3秋田にはOBの小谷光毅が在籍。卒業後、一般企業に就職しながらも、その後プロの舞台に挑戦した異色選手。今季は秋田でキャプテンも務めている。栗田監督も「明治大のサッカーを全国にお披露目できるチャンス」と気合を十分にしている。

 そして明治大としてはそこも“通過点”としたいところ。「J1チームを破る」というチームスローガンを達成するためにも、2回戦に進まないといけないからだ。その7月3日の2回戦で待ち受けるのは、2年連続J1王者の川崎フロンターレ。胸を借りる相手として、これ以上のチームはない。ダメ押し点を決めた瀬古も「すごい機会を頂けたなと感謝したい。目標が見えているので、一歩一歩やっていきたい」と力強く話した。

(取材・文 児玉幸洋)
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