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コパ・アメリカにつながる3バック…冨安は「ポジティブだった」と手応え

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3バックの右で先発したDF冨安健洋

[6.5 キリンチャレンジ杯 日本0-0トリニダード・トバゴ 豊田ス]

 スコアレスドローという結果から見えるもの以上に、濃密な90分間だったようだ。森保ジャパンで初採用となった3バックの右ストッパーとしてフル出場した日本代表DF冨安健洋(シントトロイデン)は「引きすぎることもなく、今後につながる試合だった」とまずは全体をポジティブに総括した。

 試合前に森保一監督から指示されたのは、「守備のときはシャドーがセンターバックにプレッシャーをかけて、サイドバックにはウイングがかけて、僕ら3枚の脇がサイドバックみたいになって押し出そう」というやり方。その中で冨安は「シントトロイデンと同じようにやってくれ」と言われたというが、これについては自分の中で咀嚼し直したそうだ。

「シントトロイデンではサイドバックみたいに敵陣深くまでオーバーラップすることもあるけど、日本代表ではそこまで行くことは求められていない」と、前線との絡みを自重。ビルドアップをスムーズにするためにいろいろな位置取りを試したという。

「内で受けるのか、外で受けるのか試しながらやったけど、まだまだ時間が必要だと感じた。もっとボールを受ける前のポジショニングで工夫しなければいけない。今日は(酒井)宏樹くんのところが空いていて、サイドから崩せたけど、中だけがすべてじゃないというのを今後は見せていかなければ」。このコメントから分かるのは、4バックのときによく見られた縦パスや前線へのロングフィードがあまり見られなかったのは、あえていろいろと試したからということだ。

 90分を通してプレーしたことで実感したことは他にもある。「5バック(3バック)は4枚より前が1枚少ないので、そのぶん僕らが一個前に持ち上がったり、高い位置でボールを受けないと、前の人数が少なくなって連係のパターンも減ってしまう」。つまり、センターバックがもっと積極的に攻撃に絡む必要があるということだ。

 強豪ばかりがそろうコパ・アメリカ(南米選手権)では3バックで戦うことも予想される。「悪いときの5バックは、押し込まれて後手後手になってしまう。アビスパ(福岡)時代に、5バックをやって良くないときにずっと押し込まれて、ロングボールが単調になってしまったという経験もある。今日は最悪のケースではなかった。ポジティブに先につながる試合だった」。20歳のセンターバックは、やはり試合ごとに成長している。

(取材・文 矢内由美子)

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