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[福島復旧・復興祈念ユース大会] 米子北との熱戦制した尚志は一つ成長示す試合に。選手権で福島に元気を

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地元・尚志高米子北高に勝利。FW今井聖士は先制点を決めた

[8.5 福島復旧・復興ユース大会 尚志高 2-1 米子北高 西部サッカー場]

 5日、震災からの復旧・復興を祈念し、また福島県サッカーの発展と全国各地から参加する強豪校の強化を目指す「第8回 福島復旧・復興祈念ユースサッカー大会」第3日目が行われた。インターハイ4強の地元・尚志高(福島)と同16強・米子北高(鳥取)との一戦は尚志が2-1で競り勝った。

 互いにシュートチャンスを作り合い、球際の攻防戦も見応え十分だった好ゲーム。白星を勝ち取ったのは尚志だった。1-1で迎えた後半31分、尚志は司令塔のMF小池陸斗(3年)が相手の意表を突く形で縦パスを通す。これを交代出場のインターハイ得点王・FW山内大空主将(3年)が落とすと、走り込んだ左SB吉田奨(3年)がコントロールから左足シュートをゴール右隅に流し込んだ。

 小池は「(インターハイの)準決勝ではチャンスがありましたけれども、決めきれなくて負けてしまった。点取り切るということで自分たちも声を掛け合って意識していたので、最後取り切れたのは成長していると思います」とコメント。この日、ベンチの仲村浩二監督からは「富一戦と同じだよ!」という声が飛んでいた。拮抗した展開の中で先に1点を奪われて敗れたインターハイ準決勝・富山一高戦。その反省を活かした尚志が、決勝点を奪って勝ち切った。

 試合は開始直後に尚志が決定機。MF菅野稜斗(2年)の左クロスをFW今井聖士(3年)が頭で合わせる。そして、8分にはカウンターから左SB吉田奨(3年)の1タッチパスで抜け出した今井がPAへ侵入。米子北DFが上手く対応したようにも映ったが、判定はPKで、これを今井が自ら決めて尚志がリードした。

 ただし、米子北も攻撃力を示す。前線で動き出しを繰り返すFW中田来輝(2年)にFW原田海(3年)とFW崎山友太(2年)を加えた3トップが効果を発揮。注目の左SB岡田大和(3年)のロングキックなどから、バイタルエリア、DFラインの背後でボールを収める彼らが起点となり、中盤の選手が飛び出してくる米子北はシュートを連発する。

 だが、米子北の城市徳之総監督が「精度が違います。大事なところでシュートをブロックされていましたし、今年の尚志は大事なところで決めるのでそれはウチに無い部分」と評したように、右SB坂従颯蒔(3年)、CB瀬齊駿登(2年)、CB渡邉光陽(2年)、そして吉田が4バックを組んだ尚志のDFライン中心にシュートブロックを連発。MF松本岳士(3年)や福田隼也(3年)が身体を投げ出してセカンドボールを拾うなど得点を許さない。

 一方の尚志は最前線のFW阿部要門(2年)が非常にパワフルな動き。相手DFを弾き飛ばして前進するなど異質の存在感を放っていた。だが、米子北はGK長崎勇也(2年)がビッグセーブを見せていたほか、DF陣も最後の局面で粘るなど1点差のまま食らいつく。

 後半、米子北は大きくメンバーを入れ替えたが、ロングスローなどからゴール前のシーンを作り続けると15分、FW廣田皓平(3年)のラストパスが中央の中田へ通り、右足シュート。このこぼれ球をFW岡田后央(3年)が右足で押し込んで同点に追いついた。

 尚志は失点こそ反省点だったが、仲村監督が「(試合を通して)スライディングやシュートブロックは良かった」と振り返ったように、戦う姿勢やゴールへの執着心を見せ続けた。そして、MF郡司克翔(3年)の仕掛けや小池、吉田のパスなどからチャンスを作り、試合終了間際に鮮やかな崩しから勝ち越し点。その直後にGK鈴木康洋(3年)が判断良く飛び出してゴールを守るシーンもあったが、尚志はインターハイや戦う姿勢が課題となった前日の桐光学園高戦からの成長を一つ示す形で勝利した。

 小池は「インターハイで全国制覇できなかったので、選手権では必ず全国制覇できるように、これからレベルアップしていきたい」と語り、震災からの復旧・復興を目指す地元・福島へ向けて「尚志らしいサッカーを、観客の人がもっと面白いと思ってくれるようなサッカーをしたいです」と意気込んでいた。尚志は昨冬の選手権、そしてインターハイと連続で全国準決勝進出。より自分たちのサッカーを表現して、選手権で福島を元気づける。

(取材・文 吉田太郎)

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