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全国での勝利目指す名門・藤枝東、どんな相手でも崩して点を取り切るチームへ

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藤枝東高CB浦部舜主将が縦パスを狙う

[8.24 プリンスリーグ東海第11節 清水桜が丘高 3-0 藤枝東高 清水総合]

 静岡の名門、藤枝東高はマンマークしてくる清水桜が丘高に苦戦。課題の立ち上がりに先制点を奪われると、「丁寧に持ち時間を増やそうということがマイナスになった」(小林公平監督)。縦に速い展開を避けてマイボールの時間を伸ばそうとしたが、バックパスが増えて攻撃がスピードダウンしてしまう。消極的な攻撃になったチームは、前半だけで3失点してしまい、白星が遠のいてしまった。

 先制点を奪われた後は、一つ先のパスコースを見つけて質の高いボールを通すCB浦部舜主将(3年)や大黒柱のMF坂本康汰(3年)をスイッチ役にしたパスワークで対抗。7分にはコンビネーションから抜け出したFW栗山且椰(3年)がポスト直撃の左足シュートを放ち、13分にもPA近くでのインターセプトから再び栗山が決定的なシュートを撃ち込んだ。

 前から飛び込んでくる相手DFを得意とするパスワークで剥がしてチャンスも作った藤枝東だが、消極的なDF背後へのパスでボールを失うなど流れを掴めず。後半は坂本を中央からサイドへ移動させるなど配置を変え、MF柳谷冬羽(3年)やMF前島陵汰(1年)ら中盤の選手がボールを受ける回数を増やす。セカンドボールを拾い、主導権を握り返した藤枝東だったがMF原聖陽(2年)や交代出場FW{{各務元夢}(2年)が迎えた決定機を活かすことができず、無得点のまま敗れた。

 浦部は「前半最初、結構縦パス入ったけれど、チーム全体として縦パス入ってOKみたいなところがある。目的はそのあとだから。縦パス入ったあとをどうするかが課題だと思います」と指摘。そして、「本当にこのままじゃダメだなと。凄く情けない試合。全国出るためには絶対に勝たないといけない相手ですし、反省点がたくさんある」と首を振った。

 小林監督も「こんなにパスミス多いゲームも久々」と無念の表情。そして、「これでは(敗れた)インターハイよりも差が開いてしまっている。個のところをもう一鍛えしないと」と語り、例年夏から秋にかけて一伸びしてくる下級生の成長や主軸の奮起などを期待した。

 静岡県下有数の進学校である藤枝東は今年、はインターハイ後に3年生の多くが受験勉強に切り替えたため、残った3年生は10人。その中で迎えた再開初戦は厳しい結果となった。それでも、自分たちが目指す目標、表現するサッカーを変えるつもりはない。浦部は「全国に出ることじゃなくて、全国で勝ちたいという目標がある。相手がどんなチームでも崩し切って、点取り切って、自分たちのサッカーをして圧倒して、隙を与えないようにしたい」。この日の敗戦も糧に個人、チーム力を伸ばし、選手権で清水桜が丘へのリベンジや全国での目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)
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