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[Rookie League]B League優勝の矢板中央が堅守で“下剋上”。上位リーグの西武台破り、全国王手!

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B League優勝の矢板中央高が全国出場に王手を懸けた

[9.8 Rookie League関東プレーオフ1回戦 西武台高 0-1矢板中央高 時之栖うさぎ島G]

 8日、全国ルーキーリーグ交流大会への出場権を懸けた関東プレーオフ1回戦が行われた。「2019 Rookie League」A League3位の西武台高(埼玉)と同B League優勝の矢板中央高(栃木)が激突。1-0で勝った矢板中央がA League2位・桐光学園高(神奈川)とのプレーオフ2回戦(代表決定戦)進出を決めた。

 関東・静岡の強豪18校で行われた「2019 Rookie League」の全国出場枠は2。上位リーグであるA Leagueの優勝校・前橋育英高(群馬)とプレーオフの勝者が全国大会に出場するレギュレーションとなっている。2つめの代表権を懸けた戦いの1回戦で、矢板中央が“下剋上”を果たした。

 矢板中央は序盤からパワーを持って西武台を押し込んだ。空中戦で強さを発揮するFW林廉斗や縦へグイグイと仕掛けるFW久野木力丸、ボールに多く絡むMF大畑凛生を中心に相手ゴールに迫り、久野木やMF唐橋玖生が決定的なシュートを打ち込む。身体能力の高いCB島崎勝也のロングスローも交えた攻撃で西武台にプレッシャーをかけた。

 対する西武台はファインセーブを見せるGK浅沼李空や声と気迫溢れるプレーが印象的なCB河澄直弥を中心に凌ぐと、ダイレクトのパスを交えた攻撃で反撃。12分にはMF松原海斗のスピードに乗ったドリブルを起点とした攻撃から、最後はMF柿崎将希がカットインシュート。だが、矢板中央はGK藤井陽登が横っ飛びでシュートをはじき出した。

 32分、矢板中央が先制点を奪う。CK後の流れからCB森山駿がDF背後へボールを送る。これでDFと入れ替わった左SB星景虎がGKとの1対1から右足シュート。アタッカーのポジションも兼ねる左SB星のゴールで、矢板中央がリードを奪った。

 西武台は前半終盤にボールを支配する時間を伸ばす。左右へキックを振り分けるMF福沢安莉を中心としたパスワークで反撃し、後半立ち上がりには決定的なシーンも作り出した。

 最前線のFW市川遥人にクロスを通すなど、ゴール前のシーンを作った西武台だったが、B Leagueの7試合でわずか1失点の矢板中央DF陣は鉄壁。B LeagueMVPのGK藤井やベストDF賞のCB森山、タイミングの良いインターセプトを見せていたMF小出勇翔らを中心に得点を許さない。西武台は後半終了間際、CB原田蓮斗のスルーパスにMF遠藤優太郎が反応したが、飛び出したGK藤井が身体を張ってキャッチ。矢板中央が1点リードを守り抜き、1-0で勝利した。

 規定により、引き分けの場合は上位リーグであるA League勢の西武台が2回戦へ進出。だが、矢板中央は磨いてきた堅守を発揮して勝ち切った。指揮を執った川島諒太コーチが「かなりディフェンス面は口うるさく言ってきたところがあります。トップチームのイメージで堅守がある。その点はカテゴリー関係なく、取り組んでいます」と説明するように、矢板中央の代名詞となってきている堅守は1年時から身につけるべきテーマ。それを彼らは全国行きを懸けたプレーオフ1回戦でしっかりと表現した。

「今年1年間は個の育成、マッチアップで勝てる選手の育成をやってきた」(川島コーチ)という矢板中央は個々も強さを発揮。GK藤井も「チームで守備を徹底してやってきたのでそこと個で打開されなかったのが大きい」と頷くように個の強さも彼らの勝因だった。

 次はインターハイ日本一の桐光学園と戦う2回戦。森山は「きょう勝って嬉しかったんですけれども、次の桐光戦へ向けてしっかりと良い準備をしていきたいです」と力を込めた。B Leagueから全国切符を獲得すれば初の快挙。矢板中央がゴールに鍵を掛けて、再び“下剋上”を成し遂げる。


(取材・文 吉田太郎)

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