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Jデビューの18歳が感じた槙野の凄み…清水MF川本梨誉「皆、人生を賭けている」

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Jデビューを飾った清水エスパルスMF川本梨誉(46番)

[10.6 J1第28節 浦和2-1清水 埼玉]

 ユースに在籍する18歳が新たな一歩を踏み出した。来季のトップチーム昇格が発表されている清水エスパルスMF川本梨誉は、1点のビハインドを背負った難しい状況の中、ピッチへと送り込まれた。

 清水の下部組織で育つ川本は清水Jrユース時代に全国3冠を達成し、メニコンカップでMVPに輝いた。若くして頭角を示し、世代別代表や静岡選抜で経験を積むと、今季は2種登録で5月のルヴァン杯・磐田戦でトップチームデビューを飾り、リーグ戦では第26節の名古屋戦で初めてベンチ入り。2度目のベンチ入りとなった浦和戦の後半33分にピッチに送り込まれてJリーグデビューを飾った。

「背後に抜けたり、運動量豊富に守備での二度追いだったり、とにかく走って相手をかき回してほしいと言われた」。4-1-4-1のインサイドハーフの位置に入ると、積極的に攻撃に絡もうと縦横無尽に走り回る。「縦への推進力が持ち味なので、ボールを持ったときに仕掛けたり、コンビネーションの部分を出したかった」と自身の持ち味を発揮してチームに同点ゴールをもたらそうとしたが、相手との差を感じることになったという。

 後半アディショナルタイムだった。MF西澤健太のスルーパスから右サイドをフリーで駆け上がったが、猛然と追走してきたDF槙野智章のスライディングを視野に捉えると、ボールが足につかずにゴールラインを割ってチャンスを逸してしまう。直後の川本は天を仰ぎ、「違う」という表情で頭を振っていた。ここで感じたことがある。「相手が足を出してきた中で外に行ってしまった。普段の自分なら強引に仕掛けたと思うけど、プレッシャーに負けたというか、メンタルの部分で相手に劣ってしまった」と――。

「相手の気迫はすごかった。皆が人生を賭けていて、自分がその気持ちについていけなかった部分がある。人生を賭けている選手たちに対して失礼だと思うので、自分ももっと気持ちを持っていないとダメだと感じた。自分はお客さんではないのでもっと頑張りたい」

 2001年6月11日生まれの18歳は、Jデビューを飾った喜びよりも「15分間与えてもらったのにシュートも打てなかった。結果を残せなかったことは反省したい」と、自身が何もできなかったこと、そしてプロとの差を感じた悔しさが上回った。しかし、ここが川本にとって新たなスタートだ。「同世代の他の選手よりも早くプロの世界を味わえているのは大きなプラスだと思う。多くのことを吸収して試合に絡めるように成長していきたい」と悔しさを糧に大きく成長していく。

(取材・文 折戸岳彦)
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