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元仙台DFの中田監督率いる盛岡商が遠野の連覇阻止!粘り強さ見せてPK勝利:岩手

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PK戦後、控え選手も含め全員で喜びを爆発させた盛岡商イレブン

[10.27 選手権予選準決勝 盛岡商2-2(PK5-4)遠野 いわぎんB]

 第98回全国高校サッカー選手権岩手県予選準決勝が27日、いわぎんスタジアムBグラウンドで行われ、第2試合は8年ぶりの全国の舞台を目指す盛岡商高と、7連覇を目指す遠野高が激突。伝統校対決は2-2で延長戦でも決着がつかなかったが、5-4でPK戦を制した盛岡商が決勝進出を決め、遠野の7連覇を阻止した。

 立ち上がりから激しいぶつかり合いが見られ、互いのプライドがぶつかり合う展開となった。そんな中、先制したのは遠野。前半24分、MF馬場涼平(3年)から中盤でボールを受けたMF遠藤圭哉(3年)がドリブルでゴール前へと迫り、盛岡商DFを次々とかわしてGKと1対1の状況からしっかりシュートを決め切った。

 対する盛岡商は前半36分、主将MF林下舜(3年)が右サイドを駆け上がりクロス。ファーサイドで待っていたFW羽田佑希(3年)が「いつも舜と練習していた形」と振り返った通り、クロスにヘディングで合わせて同点に追いつき、1-1で前半を終えた。

 そして、ハーフタイムを終えると遠野は攻撃の切り札であるMF渡邊拓磨(3年)をピッチに送り込む。渡邊は後半開始早々の3分、馬力のある突破を見せると右サイドの馬場へパス。馬場のクロスを遠藤が合わせ、この日2得点目で盛岡商を2-1と突き放した。

 しかし後半14分、盛岡商はゴール前でFW山田悠太(3年)、MF欠畑魁星(2年)とパスをつなぎ、左サイドから切れ込んできたMF佐藤航(1年)が「パスは考えていませんでした。自分で決められて嬉しい」と、思い切り振り抜いたシュートがゴールネットを揺らし、同点に追いついた。チームメイトにもみくちゃにされた佐藤は既に前半から走り回っていたこともあり、「今日はきつかったですね」と足がつってピッチを後にした。

 盛岡商はDF中村涼(2年)も再三足をつる仕草を見せるなど、厳しい状況だったが、「足がつったりいろんな面できつい中、粘り強く戦ってくれた」と中田洋介監督が振り返ったように、ピンチを全員が体を張ってしのぎ、2-2のまま延長戦に突入。延長戦も双方決定機がありながら決めきれず、試合はPK戦へ突入した。

 PK戦で後攻となった盛岡商は、全員が非常に長い間合いを取ってPKを蹴った。「遠野さん対策ではなく、どこのチーム相手であっても、PKは時間をかけて心をしっかり整えてから蹴るように指導しています」と中田監督はその狙いを説明。双方3人目が失敗し、4-4のまま迎えた6人目。遠野は主将のFW及川魁士(3年)のキックが枠を外れ、天を仰いだ。後攻の盛岡商はMF佐々木彩斗(3年)が長い間合いを取った後、ゴール左隅に決めて試合終了。激闘を制したのは盛岡商だった。

 伝統校ながら実に7年もの間、選手権での全国の舞台から遠ざかっていた盛岡商。いつしか勝負弱さが目立つようになっていたが、かつてベガルタ仙台横浜FCで右サイドバックとして活躍した中田監督は「昨年の教訓として失点の多さがありました。守備での対人練習を増やして、ゴールのところまで相手にプレーをやらせない、相手にチャンスを作られても粘り強く対応するところを練習しました」と、守備面での強化が粘り強い戦いにつながったという。

 主将の林下も「チーム全体、まず守備から入って、中田監督の求めている良い守備から良い攻撃というサッカーをやろうと、チーム全員信じてしっかりやって来られました」とチームコンセプトを十分に理解している。大船渡高での齋藤重信総監督の教え子でもある中田監督に率いられ、8年ぶりの全国大会出場を目指す。

(取材・文 小林健志)
●【特設】高校選手権2019

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