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連続スプリントから先制アシスト。玉野光南の2年生FW岸本がスピードで流れ変える:岡山

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後半22分、玉野光南高FW岸本大雅がGKをかわして先制アシスト

[10.29 選手権岡山県予選準決勝 作陽高 0-2 玉野光南高 津山市陸上競技場]

 連続スプリントで作陽高の守りを切り崩した。0-0の後半14分に投入された玉野光南高FW岸本大雅(2年)が50m走6秒3のスピードを発揮。先制点を演出した。

 岸本は19分に左サイドでボールを受けると、DFとの1対1にチャレンジ。そのスピードで前に出てクロスを上げ切ったFWは、直後の22分に期待通りの仕事をしてのける。

 相手DFラインの背後を突く動きでDFと競りながらPAへ。これは飛び出したGKにクリアされたが、味方の右SB川尻裕也(3年)が跳ね返すと、再び裏抜けの準備をする。そして連続のスプリントでMF寺尾海星(3年)のスルーパスを引き出すと、今度はGKをかわす。右サイドへ流れたためにシュートを打つことはできなかったが、体勢を立て直して冷静にクロス。これをファーサイドのFW野口幹太(3年)が右足ダイレクトボレーで決めて待望の先制点を挙げた。

「相手を少しでも油断させて、一気に加速して緩急で差をつけていければそれでDFは大分嫌だと思うので意識しました」という岸本は、その後も2度、3度と相手の背後へ抜け出して決定的なシュートやラストパスに繋げた。この日は味方が0-0で試合を折り返し、「最高の形」でピッチへ。そして、流れを変えること、得点を奪うことを目指して走ったFWは得点こそ奪うことができなかったものの、しっかりと流れを引き寄せて役割を果たした。

 クラスの担任は乙倉健二監督。岸本はピッチ内外で指導を受けている恩師について「いつも目がキラキラしていて、自分にないものをいっぱい持っている」と微笑む。その活力は自分も得たいと考えているもの。一方で乙倉監督は「技術は中学校までで育ててもらっていたので、戦うところやハードワークのところがついてくればスタートになるのかな」と逞しさを身につけることを期待していた。

 この日、連続のスプリントで先制ゴールをもたらすなど逞しいプレーもしていたFWは決勝でゴールを求める。「決勝では自分がゴールを決めるとともに、自分がチームを全国に導きたいと思います」。憧れの選手にFWネイマールの名を挙げ、「将来はプロサッカー選手に」「いつか真似されるようなプレーヤーになりたい」と語るFWが、決勝でもインパクトのあるプレーを見せて、ゴールも決めて、玉野光南に全国切符をもたらす。 

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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