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「ヤマ場だった」八千代戦を“らしく”1-0で突破。流経大柏が千葉準決勝へ

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後半35分、流通経済大柏高MF大西悠介が右足で決勝ゴール

[11.10 選手権千葉県予選準々決勝 八千代高 0-1 流通経済大柏高 柏の葉]

「ヤマ場」の一戦で勝負強さを示した。10日、第98回全国高校サッカー選手権千葉県予選準々決勝が行われ、昨年度全国2位で千葉3連覇を狙う流通経済大柏高と伝統校の八千代高が激突。流経大柏が1-0で勝ち、準決勝進出を決めた。流経大柏は27日の準決勝で翔凛高と戦う。

 “流経らしい”とも言える1-0で「ここが一番ヤマだった」(本田裕一郎監督)という一戦を乗り越えた。10度目の全国出場を狙う八千代は今年、インターハイ予選で敗退した有力校が参加した“裏インターハイ”で帝京長岡高(新潟)などを破って優勝しているチーム。対して、流経大柏はエースFW森山一斗(2年)が負傷離脱中でU-17日本代表GK松原颯汰(2年)も体調不良のために不在と難しい状況で大一番に臨んでいた。

 互いに守備意識が高く手堅い戦い。流経大柏は多少アバウトなボールでも前線に入れ、そこから推進力際立つ左MF大西悠介(3年)がドリブルシュートへ持ち込む。一方の八千代はMF青木奏人主将(3年)の前線を追い越す動きや高い攻撃力を備えたFW飯村晴季(3年)のキープ力、正確な右足キックを交えた攻撃で攻め返す。

 0-0の後半開始から流経大柏は2人を入れ替えたが、先にビッグチャンスを作ったのは八千代の方。1分にFW松尾倫太郎(2年)が決定的な左足シュートを打ち込むと、右SB岡村涼楓(3年)の好守でピンチを凌いで迎えた8分には、青木のループパスに走り込んだ左SB清水啓介(3年)がゴール至近距離からシュートを放った。

 だが、流経大柏は192cmの超大型GK佐藤藍大(3年)がシュートコースを消してストップ。逆に後半から投入されたMF橋本佑斗(3年)の配球や、俊足SB清宮優希(2年)のオーバーラップとロングスローなで相手にプレッシャーをかける。

 後半33分にはクリアボールに反応したMF八木滉史(3年)のグラウンダーミドルがゴールを捉える。だが八千代はGK関本海(3年)が好守。個々の守備意識高く、チャレンジ&カバーや球際の強度ある守備を徹底し、無失点を継続した。

 だが、流経大柏の守りもそれ以上の強固さ。八木が「古谷が戻ってきてここ2試合安定した守備が続けられている。まずヘディングで絶対に勝ってくれる古谷と、クレバーな藤井の2人の関係性が良いですし、(ボランチの)渡会だったり自分がカバーに行くのでバランスは良いかなと思います」と手応えを口にしていたように、U-17日本代表候補CB藤井海和(2年)とCB古谷優斗(3年)、守備に専念していたMF渡会武蔵(3年)や運動量豊富な八木らが隙を見せずに守っていた。

 健闘した八千代だったが、勝負どころでその守りを破るパワーを発揮することはできず。そして後半35分、流経大柏がスコアを動かす。右サイドの橋本のクロスをファーサイドの渡会が落とすと、これを大西が右足で鮮やかに決めて先制点。八千代も交代出場のDF山下虎太朗(3年)の連続ロングスローなどから反撃したが、最後まで1点を奪うことができなかった。

 流経大柏は昨年度の選手権3回戦、準々決勝で1-0勝利。一昨年度は優勝したインターハイの準決勝と決勝、選手権でも3回戦と準決勝を1-0で勝ち切るなど、県予選やリーグ戦を含めて苦しい展開の試合を1-0でモノにする強さを見せてきた。
 
 だが、今シーズンはここまで公式戦で1-0の勝利がゼロ。無失点試合も少なかったが、それを「ヤマ場」のゲームでやり切ったことは今後へ向けてプラス材料だ。また、本田監督は緊迫した試合を経て、選手が成長することを期待する。「勝ちがどんな練習よりも大きい。で、急に成長するってことがあるでしょう。高校選手権は。勝って行くとぐっと自信をつけて変わっちゃうんだよね」と語った。

 現在は、プレミアリーグで1試合も出場していなかった橋本とMF林春輝(3年)が「急に出てきた」(本田監督)。また、八木は「トップと関係なくても、3年生がラストということで自覚や最後のところ頑張ろうという姿勢が出てきた。(特に橋本や林は) ラストチャンスというところでそのチャンスを掴みつつあるし、他にも良い3年生がいる」と期待する。

 競争を経て最後に台頭してきた3年生選手の存在に加え、勝負の肝を離さない勝ち方ができてきている流経大柏。松原はもちろん、森山も予選終盤に復帰する可能性がある。ヤマ場を乗り越え、今後へ向けて視界が広がりつつあるが、一戦必勝。八木は「(流経大柏にとって)県予選3連覇は今までない。でも、そこに目を向けずに、1回戦、2回戦を大事にしてきたので、次も準決勝という目の前の試合を着実に戦って、一個ずつ勝てるようにしていければいい」と力を込めた。昨年、一昨年と2年連続での全国2位から日本一へ。そのために一つ一つ、着実に壁を突破する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2019

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