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[関東]順天堂大が堀池監督就任後初めてインカレ出場権逃す…「自分の力のなさ痛感」旗手怜央は大学サッカー終戦に涙

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旗手はうつむきながら控室に引き上げる

[11.23 関東大学L1部第22節 順天堂大0-0筑波大 柏の葉]

 順天堂大が元日本代表の堀池巧監督が就任した2015年以降では初となる大学選手権(インカレ)出場権を逃した。順大は最終節を前にインカレ出場圏内ギリギリの6位。しかし勝ち点で並ぶ5位の筑波大とスコアレスドローに終わったことで、筑波大を逆転できず。勝ち点1差だった中央大にかわされて、7位に後退した。

 試合前から降り続く冷たい雨。その雨でも紛らわすことが出来ないほど、ピッチに立った4年生は試合後、嗚咽を漏らしながら涙を流した。主将FW浮田健誠(4年=柏U-18/山口内定)は「今日の結果がすべてではなく、リーグ戦22試合の積み重ねの結果。この状況に追い込んでしまった4年生たちの力のなさを感じます」と言葉を絞り出した。

 前期を3位で折り返した今季。しかし後期初戦の桐蔭横浜大との上位対決を落とすと、初勝利まで7戦を要した。「まだ周りがインカレに出るチャンスをあげると言ってくれているようなもんじゃないか」。後期はわずか2勝も最終戦までインカレ出場権を争える位置にいるということをプラスに捉えるように、試合前に堀池監督はそう声をかけてイレブンの奮起を促していたという。

 それでも結果はスコアレスドロー。今季の課題に挙げる「得点力不足」を象徴する試合になってしまった。順大は後期に3年生が教育実習で抜けることが多く苦しい台所事情となるが、それも毎年ということを考えれば言い訳にはできないと皆が強調する。それだけに指揮官も「エース旗手がいるのに点が取れない。彼個人の問題ではないが、チーム全体で取れていないということに繋がっている。結果的に得失点差でインカレを逃しているのでね」と今季の敗因を分析し、唇を噛んだ。

 エース旗手。FW旗手怜央(4年=静岡学園高/川崎F内定)は今夏にはユニバーシアード代表の主将として金メダル獲得に貢献。東京オリンピック日本代表候補に挙げられる旗手だが、順大では4年間でタイトルを手にすることは出来なかった。今季はチーム事情からボランチでの出場が増えたことはあったが、得点数はわずかに5。1年生で9得点、2年生で14得点、3年生で12得点を決めていた大エースの得点数半減がチーム成績に大きく影響してしまった。

 大学サッカーはこの日で区切り。これからはプロサッカー選手旗手怜央としての生活が始まる。「堀池さんの指導で成長できた部分はある。それ以上に名古(新太郎/鹿島)さんだったり先輩の存在、同期の存在は大きかった」と4年間を振り返った旗手。「自分の力のなさを痛感した」と涙を流した試合直後とは打って変わり、すっきりとした表情で取材エリアに現れた旗手は「チームを勝たせられるような選手になりたい。強い、大きな選手になりたい」と更なる成長を誓っていた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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