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[プレミアリーグEAST]帰ってきた「強い青森山田」。“らしさ”発揮し、3年ぶりVに王手!

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後半38分、青森山田高は途中出場のFW金賢祐(14番)がダメ押しのゴール

[11.24 高円宮杯プレミアリーグEAST第16節 青森山田高 4-2 清水ユース 青森山田高G]

「強い青森山田」が帰ってきた。高円宮杯JFAプレミアリーグU-18EAST第16節、そう思わせるゲーム内容で青森山田高(青森)が清水エスパルスユース(静岡)を4-2と撃破。残り2試合で2位・柏レイソルU-18(千葉)と勝ち点6差をつける独走態勢を固めてみせた。

 青森山田は8月以降の第11節から第15節にかけて0勝3分2敗という思わぬ大苦戦を強いられており、第10節までの無敗ロードで築いた貯金を使い果たしつつあった。2位以下のチームの勝ち点も伸び悩んでいたために首位の座を明け渡してはいなかったが、この試合を前にした状況は楽観できるものではなかった。ただ、だからこそ引き締まったとも言えるかもしれない。

 7月までのリーグ戦は「自分たちは力がないと知っているからこそできていた部分があった」と振り返る黒田剛監督は、しかしそこで無敗が続き、プロ入りが決まる選手も出てくる中で「少しおかしくなっていた」と分析する。「少しでも手を抜けばすぐにやられてしまうリーグ」にあって、チームとしての規律と個々の戦う姿勢を重視してきた青森山田にとって、こうした緩みは致命的。勝てなかった5試合は、そのうち実に3試合でアディショナルタイムでの失点があった。この青森山田らしからぬ試合運びの悪さ、勝負弱さを正し、この試合に臨んだ。

 試合前には整列した選手たちに黒田監督から「ガンガンいくぞ!」と声が掛かったが、その言葉どおりに選手たちは強気の仕掛けから清水ユースを飲み込んでいった。開始11分に右サイドを破っての流れからFW田中翔太(3年)がゴールネットを揺らすと、26分にはU-18日本代表MF武田英寿(3年、浦和内定)が同じように右サイドを崩した形に合わせて2点目を奪い取る。さらに続く27分にも武田は巧みなボールタッチからの突破で清水の守備網を切り裂き、ミドルシュートを突き刺す。快足を飛ばす右MF後藤健太(3年)が最初の2点に絡んで脅威となる中で、その後藤の走りをオトリに使った巧みなゴールだった。

 もちろん、対する清水ユースもこれで簡単に沈むチームではない。「呑まれてしまっている選手がいた」という戦況を踏まえ、平岡監督は前半途中での二枚替えを敢行。このままでは終われないというメッセージをピッチに伝える。すると前半終了間際にU-16日本代表FW千葉寛汰(1年)がハイクロスにファーサイドで合わせて1点を返すことに成功し、後半開始早々にもクロスボールからMF青島太一(3年)がゴールネットを揺らす。ここから一気に清水へ流れは傾くかに見えた。

 だが、「良くなかった時期はこういう流れで一気に崩れていったと思う。でも今日は違った」と黒田監督が胸を張ったとおり、ここから青森山田が“らしさ”を見せる。2失点を喫したあと、すぐさまピッチで円陣を組み、「『このままじゃ絶対負けるぞ。もう一回やることを整理しよう』という話をした」という武田主将を中心に、攻守の戦い方を徹底。まず守備を固めることを選択し、DF箱崎拓(3年)、DF藤原優大(2年)を中心としてゴール前に粘りの防波堤を築いた。

 さらにベンチも修正に動く。負傷から戻ってきたMF安齋颯馬(2年)をボランチに入れて、MF松木玖生(1年)を左サイドに配置転換。「攻守のバランスを取ってくれる選手」(武田)である安齋が中盤に入ったことで、ゲームは落ち着いた。黒田監督から「ウチは“安齋無敗”なんですよ。勝てなかった時期は安齋がいなかった」と全幅の信頼を置かれる男の投入から、試合の流れは再び青森山田へ傾いていった。

 そして迎えた38分、左サイドで得たFKのチャンスから、途中出場のFW金賢祐(3年)が見事に合わせて貴重な4点目を奪い取る。序盤の速くて鋭い猛烈な攻撃、粘り強く耐えるべきところを耐えた中盤、そしてトドメを刺して隙を見せなかった終盤と、“青森山田らしさ”がしっかり表現された試合を貫徹。7月13日の第10節以来となる勝ち点3を積み上げ、3年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。

(取材・文 川端暁彦)
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