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“偽SB”の絶妙スルーパス…苦境乗り越えた横浜FM松原「報われた思いもある」

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追加点をアシストした横浜F・マリノスDF松原健(前列中央)

[11.30 J1第33節 川崎F1-4横浜FM 等々力]

 中盤顔負けの技ありスルーパスで貴重な追加点を導いた。後半4分、FWエリキのゴールをアシストした横浜F・マリノスDF松原健は「最初に受けた時はテル(FW仲川輝人)に出そうと思っていたけど、相手が全体的にテルに矢印が向いたので、落ち着いたところでエリキに出した」と絶妙な判断の裏側を振り返った。

 昨季からアンジェ・ポステコグルー監督が就任し、サイドバックが中盤に絞って組み立てる戦術を続けてきた横浜FM。2連覇王者の川崎Fに挑んだ大一番、勝負を決定づける追加点でそうした積み重ねの成果が出た。右SBの松原がピッチの中央まで入ってボールを受けると、相手最終ラインのギャップにスルーパス。これがエリキに通り、右足シュートでネットが揺れた。

「サイドバックがあの位置に入るのは(他のチームでは)なかなかない。ああいうふうに自分たちのサッカーが体現できて得点までつながったのは素晴らしいこと。自分としても自信になった」。守備的MFのような位置取りをすることから“偽SB”とも呼ばれる持ち場だが、そこから本職ボランチのようなスルーパスを繰り出した。

 いまでこそ8試合連続フル出場の背番号27だが、今季は「我慢の時間が長かった」シーズンだった。DF広瀬陸斗とDF和田拓也が新たに加入したことでサイドバックがレギュラー争い最大の激戦区となり、昨季まで主力だった松原の出番は大幅に減少。序盤戦は第5〜8節に先発したのみで、その後は負傷離脱を機に出番が与えられなくなった。

 そこで自らを救ったのは、これまでのサッカー人生で培ってきた能力を信じることだった。「自分を信じて練習からアピールするしかないと思って心を入れ替えた。逆に今まではチャンスを与えてしまう側だったので、次は自分が掴むというという気持ちでやってきた」。18試合ぶりに先発した第26節・広島戦(○3-0)から主力に返り咲くと、そこから無敗のチームを牽引してきた。

 昨季から取り組んできた一日の長なのか、それとも苦汁をなめてきた跡なのか、先発復帰後は独特なポジショニングの練度も際立っている。「最初は戸惑いがあったけど1年やってきてなくなったし、上がったあとのカバーはボランチのキー坊(MF喜田拓也)たちがしてくれるので、心置きなく攻撃に参加できる」。そうした長所がこの日、アシストという結果に表れた。

「そこに対してはすごく嬉しいし、今季は我慢の時間が長かったのもあったので、そういう我慢の時間が(アシストという)結果に表れたのは僕自身、報われた思いもある。それよりもチームが勝てたということが心の救いだとも思う」。自身の手応えと、チームへの信頼。そうした気持ちのバランスはリーグ優勝が目の前に近づいても変わることはない。

「僕だけじゃなくて、チーム全体が同じ方向を向いているのでこういう結果になっている。選手だけじゃなく、スタッフやサポーターの方々も含め、同じ方向を向いている」。目指す先は一つ、15年ぶりのリーグ制覇だ。首位で迎える最終節を見据えた松原は「やることは変わらないし、得失点差どうこうは考えていない。勝ち点3しか僕らも目指していないし、サポーターの皆さんも同じだと思う。最終戦も必ず勝ちたい」と必勝を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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