beacon

セリエAでまたも人種差別…大手紙の一面に抗議殺到、“当事者”ルカクも「最も馬鹿げた見出し」

このエントリーをはてなブックマークに追加

抗議の声を上げたFWロメル・ルカクとDFクリス・スモーリング

 イタリア大手スポーツ紙『コリエレ・デッロ・スポルト』に批判が集まっている。5日の紙面では一面にFWロメル・ルカク(インテル)、DFクリス・スモーリング(ローマ)の写真を添えて「ブラックフライデー」との見出しを展開。すぐさま選手本人をはじめ、さまざまな関係者が「人種差別的だ」という声を挙げた。

「これまでのキャリアで最も馬鹿げた見出しだ」(ルカク)。

「けさ起きたことは間違ったことであり、非常に不適切だという認識を持つことが重要だ」(スモーリング)。

 セリエA第15節では7日、イタリア・ミラノのジュゼッペ・メアッツァで、首位を走るインテルと上位を狙うローマとの強豪対決が行われる。このビッグマッチを前に『コリエレ』が物議を醸す一面を掲載。世界的に大規模なセールが行われるイベントの名前と試合の曜日にかけて「ブラックフライデー」という見出しを打ったのだ。

 これにはまず、サポーターや関係者からSNSなどを通じて批判が殺到。すぐに同紙編集者のイバン・ザッザローニが「どこが人種差別的だと言うんだ?」と反論しつつ、ルカクとスモーリングには元マンチェスター・Uの有名選手という共通点があり、ブラックフライデーはすでに世間に広まった言葉であることを指摘したが、火に油を注ぐ形となった。

 スモーリングは自身のツイッター(@ChrisSmalling)を通じて「ビッグゲームに集中する一日を過ごしたかったが……」と切り出し、上記の反論を掲載。「この見出しに関わった編集者が責任を持ち、彼らが言葉を通して持つ力と、そうした言葉が与える影響を理解することを願う」と述べた。

 またルカク(@RomeluLukaku9)も「2つのチーム間の戦いに焦点を当てるのではなく、キャリアで見た中で最も馬鹿げた見出しがついた」と反応。「君たちはネガティブな人種差別の問題に油を注ぎ続けている。サンシーロで行われる美しいゲームについて話す代わりにね」と批判を行った。

 またローマとミランはこの問題について、いち早く共同声明を発表した。

「選手、クラブ、サポーター、メディアはサッカーにおける人種差別との戦いに参加しなければならない。われわれが言葉の選択と、伝えるメッセージを正確にする責任を持っている」とした上で「『ブラックフライデー』の見出しに関連する記事が人種差別的なメッセージを描写していることを認識している」と指摘。同紙の記者を今月いっぱいにわたり、取材禁止にする意向を示した。

 セリエAでは今季、スタジアム内での人種差別が次々に顕在化。これまではサポーターの差別的チャントが主な問題となっていたが、メディア報道でも差別的なメッセージが出されたことで、現地では国内にはびこる人種差別の根深さが指摘されている。

●セリエA2019-20特集
●冨安健洋の試合はDAZNで!!“初月無料”ライブ配信中

TOP